2023年01月19日

お勧め映画「モリコーネ 映画が恋した音楽家」

今日、紹介したいのは、先週から始まった
「モリコーネ 映画が恋した音楽家」という映画だ。

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エンニオ・モリコーネという作曲家を
知っている若い人たちってどれくらいいるんだろう。

と言うか、今の映画好きな若い人たちの
知っている作曲家って誰なんだろう。

僕の若い頃は、ニーノ・ロータや、
フランシス・レイ、ヘンリー・マンシーニ、
ミシェル・ルグランなどは、曲だけ聞けば、
作曲家や映画を知らずとも、
一般的にああ、これか!というほど
有名な楽曲だった。

もう、今や映画音楽がスタンダードに、
という時代じゃないし、映画を思い出して
そのテーマ曲が流れてくる、というのは
今や日本映画の主題歌になっているような
J Popくらいなのかも知れない。


話を戻すと、このエンニオ・モリコーネ。
僕が最初に知ったのは、テレビで
「夕陽のガンマン」や「荒野の用心棒」
「シシリアン」などの古い映画を観た時に、
耳から離れなくなった曲たちだ。

そして、僕よりも少し若い人たちも
「ニュー・シネマ・パラダイス」や
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」
「海の上のピアニスト」などは
聴いてみたら、耳馴染みがあるだろう。
CMなんかで使われることも多いし。


さて、そのモリコーネが、いかにして、
その名曲群を作り出し、多くの監督が
何故にこの人をチョイスしたのか、
そして音楽家も含めて、多くの著名人が
この人を称賛し、永遠である、と証言したか。

この映画では、彼自身のインタビューと、
周りの人々証言、
そして彼の音楽が使われている
映像がこれでもか、と流されていく
ドキュメンタリーの傑作(と言ってしまおう)だ。

そもそも、映画音楽の巨匠とされている
モリコーネだが、元々クラシックから
前衛的な音楽の数々挑戦していた。
そこから行き着いた映画音楽が、
多くの音楽家に寄って、「あのような
軽いモノを作って」と嘲笑されていた、
という話は驚かされる。

かつてのアヴァンギャルドと言われた音が、
たとえば、口笛や、鐘の音、日常に流れる
あらゆるモノ音などに変化して、
作品に生かされていく。

そして驚くなかれ、彼はキーボードや
楽器を奏でることなく、頭の中で創作し、
それを譜面に起こしていく、という作業を
続けていったと言うから凄い。

あの名匠キューブリックが「時計じかけのオレンジ」で
彼を起用したかったらしいが、とある出来事から
断念した、という事を、モリオーネ自身が
悔やんでいたように、この映画を観た
多くの観客も残念に思うはずだ。

とにかく、ここまで優れた
ドキュメンタリーとは思わなかった。
先日紹介した「SHE SAID シー・セッド その名を暴け」同様、
1月から素晴らしい映画が公開されているのは嬉しい。

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posted by みつあき at 15:29| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする