2022年12月31日

良い年をお迎えください

大晦日となって、改めて今年の総括を
考えてみるけれど、個人的には
今年はこんな年だったなあと
大きく思い当たることがなかったりする。

コロナは相変わらず続いているけれど、
春先からは、すっかり休業養成も
時間短縮もなくなった。

かと言って、すっかり前のように戻ったか
と言うと、まだまだそうは行かない。

敢えて言うと、今年になって
比較的20代、30代のお客さんが
来てくれたことは嬉しく、
有難いことだった。


来年も、みなさんが元気で美味しいお酒が
飲めますように。
2023年もよろしくお願いします。

大晦日営業スタートです。

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2022年12月30日

BL憎しから、少しの愛に

古くからの知り合いのトモオが
久しぶりに来てくれた。

彼はずいぶん前から
「女性(ここでは敢えて腐女子と
書かせてもらう)が喜ぶために描かれた
BL漫画や、その映像化を
ゲイが喜ぶべきじゃないと思う」
そう言い続けていた。

もちろん、映像化された上で、
自分が好きなタイプのような男が
出てくると知ると、それを観たい、
と思うのは仕方がない。

加えて、通常なら埋もれていたような
ゲイ映画(決してBLではない)が
腐女子が集まるだろうから、と
日本で続々と公開されたり、
配信されたりするのことは良かったと言い、
それは僕もそう思う。

ただ、BLだけに目を向けると、
いかにも腐女子が喜びそうな
話の展開や、エロ描写には、ほとほと
ゲンなりしていたとトモオは
ずっとあり得ない!と怒っていた。


しかし、ここに来てひょんなことから
とあるBL漫画に行きつき、少し驚いたらしい。

と言うのは、これほどまでにファン層を
拡大し、ものすごい量のBL漫画やドラマが
作られている中で、くだらなくて酷いモノも
多いけれど、これは!と胸を熱く
させるモノに巡り合ったりするのだそうだ。

彼がハマッたのは
「壁サー同人作家の猫屋敷くんは承認欲求をこじらせている」
という驚くほど長いタイトルの漫画。

あれだけBL憎し、と騒いでいたのに、
ここまで描けているのなら、許すし、
少し愛情を持てるようになったとか。

僕自身は、映画を観るのが精一杯で
とてもBLまで手が出ない、という現状だけれど、
彼がそこまで言うのなら、
少し手にとってみようかと思った。

ちなみに、関西ローカルで映像化された
このドラマは、正月、東京地方でも
放映されるそうだ。



ちなみに、明日、大晦日は19時オープン、
お客さんがいらっしゃるまでの営業。
紅白歌合戦を流しながら、お蕎麦(数量限定)、
そしてカウントダウンの乾杯と続きます。

Bridge初日は、2日の日、六尺デー。
そして、3日、火曜日はタクヤ。
マスターみつあきは、
3日からの営業となります。
よろしくお願いします。

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2022年12月29日

冬でもハーパン

例年は31日の大晦日営業が終わってから
クリスマスツリーなどを片付けるだけれど、
昨日は時間があったため、
アルバイトのトモに手伝ってもらって
ツリーを片付けた。

トモは店に来ると、
着替えていいですか?と僕に尋ね、
トイレに入って、ハーパンに着替え
Tシャツ一枚になる。

寒くないのか?と聞くと
「まったく」だそうだ。

この軽装にダウンを羽織って、
自転車で12キロくらい離れた
家まで帰るのだから凄い。

僕もそれほど寒がりでもないはずだし、
店内(特にカウンターの中)は、
十分暖かかったりするんだけれど、
それでもハーパンは信じられない。

ただ、そのあたりはやっぱりゲイなのだろうか、
やっぱり冬でも、上着を脱ぐと軽装、
というのはなんとなくかっこいいなあ
そう思ったりもする。

そんなことを考えながら、
ツリーも片付け、
昨日で今年の仕事が終わったお客さんが
いらっしゃる。

もちろん、まだ仕事がある人もいるけれど、
おおかた、リラックスした顔だ。

トモに続いて、今日、明日、明後日は
スタッフが手伝ってくれる。
大晦日は、例のごとく、紅白を流しながら、
お蕎麦のお通しが終わってから
カウントダウン。

2022年もあと3日だ。

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2022年12月28日

もう少し寝ると

コロナのせいで、去年まで年末の雰囲気は
過去とはまったく違うモノになっていたけれど、
今年は、かなり年末らしさを
感じられる景色になってきた。

特に普通のサラリーマンやOLは、
忘年会やクリスマスを過ぎ、
正月休みに入るワクワク感を
それぞれに感じているだろう。

僕自身も、会社員の時はそうだった。

夏のお盆の時に感じる気持ちとは
ひと味も、ふた味も違うのは、
その年のの総括を、何となく頭の中で
感じながらの行動だからかも知れない。

今年の頭は、まだ時間短縮営業などがあり、
そのあと、コロナは第七波まで続いたけれど、
(今は第8波か!?)
少し時間が経ってみると、
それがいつまでだったのか、
どうだったのか、ということさえ
よく覚えていない。

そう思うと、コロナが僕らから
盗んでいった3年というのは
本当に大きいなあ、そう思う。

かく言う僕もどんどん年をとる。
仕事をし、ジムに行き、映画を観て、
ということは変わらないけれど、
大きく変化したのは、
とにかく海外に行っていないということだ。

これから今までのように、
すこぶる元気で知らない街を
どんどん歩いていけるのか。
そんなふうに思う22年の年末だ。
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2022年12月26日

お勧めドラマ「First Love 初恋」

ひと月前にNetflixで配信されて、
若い人たちの間で、とても評判が良かった
ドラマ「First Love 初恋」を観た。

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恥ずかしながら、僕はこのドラマほど、
過去の実体験を思い起こし、
重ね合わせたことはなかった。

相手の一挙一動にドキドキし、
もらった手紙にワクワクし、
電話の声に打ち震えた。
インターネットがなかった時代、
そんなときを僕も通過した。


ドラマは、高校時代に恋に落ちた二人と、
その20年後の再会を丁寧に描いている。
とひと言で言っちゃうと
その辺によくある話ではある。

3.jpg

しかし、このドラマは、
そういうエモーショナルな部分を、
ありがちな日本のドラマとは
ひと味も、ふた味も違うのだ。

それは、脚本、監督の寒竹ゆり氏の
あまりに丁寧かつ、デリケートな制作姿勢に
寄るモノなのかも知れない。

過去、現在、そしてその間の期間を
旅しながら、二人はどういうふうに出会い、
そして何故、別れ、再会して、どうなるか、
を9話にわたってじっくりと見せていく。

とは言っても、その展開の巧みさは
いわゆる次回が見たくなる、という
あざとさを超えて、多くの伏線、
あらゆる人物の絡み合いが
続けて見ずにはいられないのだ。

舞台となる北海道での
それぞれ季節の景色が素敵だ。
しかも、役者たちの台詞のみならず、吐息ひとつが
深く意味を持つほどに鮮烈だ。

その時代、時代の時事問題
震災やコロナも含めて
当時のニュース映像までが
決して作り物ではなく、
リアルに登場する。

また、何と言っても、主演の満島ひかり、
佐藤健と共に、その若い頃を演じたふたりの演技は
いやおうなく、胸を躍らせてくれる。
特に木戸大聖の眩しすぎる
目の輝き、その存在感は素晴らしい。

若い時の甘酸っぱい、または苦く辛い想いが
時間を経過して、優しく穏やかで、
抱きしめたく、そんな作りになり、
それを恋をしたそれぞれに
問いかける作品になっている。

長い正月休みの際にでも、是非。


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2022年12月25日

クリスマスイブの夜は

お客さんのコージは、ご両親が
クリスチャンで、50を超えても
今までと同じように、
クリスマスは教会に行っているらしい。

昨夜はその帰りに店に寄ってくれた。
教会はお年寄りが多く、換気のせいか、
とても寒く、凍えるようだったと言う。

僕も洗礼こそ受けてはいないけれど、
子供時代はクリスチャンだった両親と
教会のミサに連れて行かれた。

その当時は教会に入ると暖かく、
聖歌隊の歌声にしみじみとしたのは、
まだ小学校に上がるか、上がらないかの頃。
やはりあのワクワク感は、
ゲイならでは、だったんだろうか。

ミサが終わってから、ボランティアの方が
作ってくれたカレーライスを食べるのが
とても嬉しかったことをよく覚えているけれど、
東京の教会では、どうだったんだろう。

コージが来てくれたあたりから、
海外からのお客さんで店は混み合い、
イブらしい一夜となった。

今夜は六尺デー。
良いクリスマスになりますように。
posted by みつあき at 15:32| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年12月24日

全国、極寒の年末

昨夜はクリスマス・イブ・イブということだったが、
日本中、極寒で、連日報道で、新潟県の車の立ち往生や
金沢の大雪、そして博多や高知まで
雪が降り積もったという。

新潟に住む前の会社の部下は、
トラックを運転しているのだが、
彼の仕事はずっと休みらしい。
その分、流通も動かず、
3キロ離れているコンビニに
やっと到着したら、ほとんど物資がないと言う。

大阪で育った僕は、東京と同じく
それほど雪に見舞われた経験がなかった。

しかし、高校で3年間、島根県の松江に
住んでいたことが唯一の大雪の経験だった。

学校が山の中にあったせいか、4メートルも
5メートルも積もる。
1メートルにもなるほどのつららを初めて見て、
それを折ってチャンバラをする、など
まだ若かったからか、楽しいこともあった。

しかし、そんな中、朝からみんなで
雪かきをするのは辛かった。

寮から校舎までの道、長い石畳、そして
校内の出入り口。
雪がそれほど降り積もっていない時は
早朝、10キロのマラソンをした。

今思うと、切なくなるほど懐かしいけれど、
当時は地獄だった。

とは言え、生活や食事にすごい影響があった
ということは覚えていない。
まだ、コンビニさえなかったけれど、
当時、物資流通など、どうだったんだろう。

いずれにしても、まだまだこの年末
日本中がさらに寒く、きつくなる、
という予報が出ている。

今年もあと一週間。
なんとか乗り越えていきましょう。

あ、ちなみに31日の大晦日は
例年のとおり、店では紅白歌合戦を見たあと、
カウントダウンが行われます。

新年は2日の日が六尺デー。
3日が火曜日でタクヤデー。
マスターみつあきは、4日からの営業となります。

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2022年12月23日

同級生からのメッセージ

初めて来てくれたユウキチ君、38歳は、
2年ほど前にfacebookで
カミングアウトしたらしい。

本人いわく、数年前まで、
ほぼゲイの友人などいなくて、
なおかつ地方都市で
地味な仕事をしていたそうだ。

ただ、世の中のあらゆる流れ、
ニュースを見聞きしたことから
上京し、職を変えたと言う。

そして独り身で育ててくれた
お母さんが亡くなったということが
最終的なアウトのきっかけになったらしい。


そんな中で、ひと月ほど前に、中学校時代の
同級生からダイレクトメッセージが届いたらしい。

ユウキチ君は、学校で、その彼から
ひどいいじめを受けていたのだそうだ。
ユウキチ君が好きだった
DA PUMPの一茶の写真を持ち歩いていたことを知り、
「ホモだ、ホモだ」と揶揄されたのだと。

その話はクラス中に広がり、
彼を庇ってくれる人はほぼいなくて、
数人の仲が良かった友人も
その一件からユウキチ君から
離れて行ったらしい。

そのことは、ユウキチ君にとって
大きなトラウマとなったようだった。


その同級生からのメッセージは、
共通の友人からユウキチ君の
facebookの内容を教えてもらい、
どうしても当時のことを謝罪したかったのだと。

それも彼にfacebookを教えてくれたのが
ゲイの知り合いで、なんと虐めていた彼自身も
ゲイだったと言うカミングアウトだった。

そこには本当に申し訳なかったという言葉と、
自分がゲイだということを絶対に
受け入れられず、あの時代は強い嫌悪感を
持っていたからだったのだと。


ユウキチ君にとって衝撃的なメッセージだった。
おそらく、数年前だったら、
この彼のことを許せなかったかも知れない。

しかし、逆に数年前なら、自分も
カミングアウト出来ていなくて
こういうメッセージに繋がらなかっただろう。

ユウキチ君は丁寧に謝礼の返事を出し、
歳があけたら、是非一緒に会おう、
という話をしたと言う。
良い話を聞いた。

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2022年12月22日

年の瀬 

なんとあと、10日で2022年も終わる。

昨夜は、色々な年の瀬を迎える人たちが
来てくれて、それぞれ年末らしい話題を
提供してくれた。


最初に来てくれたケイゾウは、大のバレエ好きで
この季節、劇場や映像などで「くるみ割り人形」を
観まくったりするらしい。

僕もコロナ前は毎年NYに行っていて、
ニューヨーク・シティ・バレエの「くるみ割り〜」を
観たものだが、バレリーナの踊りもさることながら、
どこまでも伸びるクリスマス・ツリーや、
どれだけ降るんだという吹雪など演出も圧巻だった。


そんな話をしていると初めて来てくれた
30代のコウゾウ君。
実はこの半年付き合っている彼氏がいる。

コウゾウ君自身、かなり
誠意を持って付き合っているものの、
なかなか相手の気持ちが読めない。

一生共にしたい、そう思って付き合いだしたものの、
相手は、あまり先のことは
考えていないことがどうなんだろうかと。

クリスマスイブを前に、
別れることを決意する、という
これまた年末らしい話だった。


そのあとは、トロントから来てくれた
30代のカップル。
彼らはNYに住むうちのお客さんの紹介で
久しぶりの日本ということで
楽しんでいるようだった。


そして昨日最後のお客さんだった
60歳で、初めてゲイバーデビューをした
というオオヤマさん。
彼は自分の中の「ゲイ的なモノ」を
ずっと長いあいだ、封じ込めてきた。

それが、たまたま去年の年末テレビで
LGBTのドキュメンタリーを観て、
それまでまったく避けていたことに
強く心が動かされた。

その番組を通して、出演者に連絡を取り、
今回、地方都市から東京に来られたのだと言う。

ずっと今まで抑え込んでいただけに
これからどうやって生きていくか、
皆目わからないけれど、それでも
人生の後半、本当の自分らしさを
求めて生きていきたいと。


色々な人たちの話を聞いて、
2022年も終わるなあ、
そんなふうに思った一夜だった。

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2022年12月21日

アルゼンチン優勝パレードを見て

ワールドカップのフランス、
アルゼンチン決勝はホントに
見応えがある試合だった。

あの奮闘に勝利したチームに
歓喜するアルゼンチンの人々を
ニュースで見て、そりゃそうだろうと
思った。

日本でも、渋谷スクランブル交差点が
一瞬、あのような状態になるんだから、
それでなくとも、36年ぶりの優勝、
南米の一国が大騒ぎになるのは仕方がない。

高速道路まで人が詰めかけ、
パレードをするバスが動かなくなり、
ヘリコプターで移動という事態、
そして王者メッシにいたっては、
自宅にまでファンが押し寄せるという始末。

南米の国に限らず、ヨーロッパでも
暴動とも思える事態をテレビで見ると
本当に恐ろしい状態になることも多いようだ。

そういう意味では、
やはり日本は治安国家でもあり、
ありとあらゆる部分に教育が
行き届いているのだと感じざるを得ない。

しかし、それを思いながらも、僕たち日本人は
どれほど「人と同じように動け」と
教え込まれているのかとも逆に思う。

昔、僕の大好きなアーティスト、
ブルース・スプリングスティーンが
自著の中で「来日公演をした時に、
拳を振り上げ一緒に歌っていた人々が、
公演が終わって、一斉に着席し、
整列退場したのには驚かされた」と
書いていた。

そういうふうに、一糸乱れぬように
動けと指示されることに慣れてしまっている、
そういう意味で共産圏ではなく、民主国家の中では
非常に珍しい国なのかも知れない。

この「人と同じように」ということが
僕ら同性愛者を、区別化差別化
させてしまっていなければいいのだけれど、
そんなふうに思う。

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2022年12月19日

年末のタクシー

先週の金曜日にいらっしゃたお客さんたちが
口々に「今夜はタクシー、なかなか
捕まらないらしい」そう言っていた。

確かに今度の週末はもうクリスマスで
その前の週(つまり3日前)は、
忘年会帰りで、最もタクシーが
使われる、と予想されていた。

お客さんが午前2時を過ぎて
いらっしゃらない場合、僕もさっさと閉めて
タクシーで帰宅することがあり、
店を出て、10分ほどタクシーを
捕まえられないことはある。

ただ、この日、そんな話を聞いていたので、
以前ダウンロードしたタクシーを
呼ぶアプリは改めて準備をしていた。

0時を過ぎ、終電組が帰ったあと、
12月にしては激しい寒波が来たこともあり、
1時半を過ぎて、最後のお客さんが帰られた。

それから翌日の準備をたらたらとしながら、
お客さんを待っていたが、3時近くになり、
これからの来客は難しいだろう、と
タクシーアプリを立ち上げた。

ところが。
表示されるのは「タクシーが捕まりません」
というような表示。

これは店で待っていても無理だと判断。
ただでさえ寒空の中、荷物を持って外へ。
店の角を曲がり、新宿通りへの
200メートルくらいを歩くと、
いつもであれば、何となく車の行き来が見えるのだが
この日はまったく車が通っていない。

不安もありながらも、3時を過ぎていれば、と
歩き出すが、タクシー前面に
ライトが付いている!と思っても
すべて「回送」の表示だったりする。

いやあ、参った。これなら店で始発まで
いれば良かった、なんて考えてもあとの祭りだ。


結局1時間近く、歩いたところで、
やっと空車のランプが見える。
乗った途端に運転手さんが
「どれくらい待ちました?」と言われる。

約1時間ほど、と答えると
なんとこの日は、約2万台くらいと思われる
東京のタクシーは全部出払い、
午後10時くらいからは、まったく
捕まらない状態がこの時間になっても
続いているのだということ。

僕自身、この時間タクシーを使うのは
月に一度くらいだったりするけれど、
コロナがあったとしても、
コロナ前も含めて、ここまで
タクシーを止められなかったことはなかった。

思えば、僕が若かったバブルの頃は
こういうことはよくあって、
確実に乗れないから、みんな
バーで始発待ちをしたものだと思い出した。

経済が回っているのだ、そう思うと
決して悪いワケではないが、
出来れば僕自身もタクシーで帰らずに
きちんと始発以降、
帰るようになれるほど
遅くまでお客さんが戻ってくるように
努力しなければ、そう感じた年の瀬だった。

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2022年12月18日

アプリの出会いを卒業する人たち

ここ数年で、誰かと付き合いだした、
というお客さんたちの出会いの理由を
耳にすると、8割と言っても良いほど、
出会い系アプリで、と答える。

それを聞くと、もうゲイバーなどの
最初からリアルな時代というのは
終わったんだなあと思うことも多い。

なおかつ驚くのは、ストレートの人たちの
出会いも、圧倒的にアプリが多いのだそうだ。


そんな中で、一昨日来てくれた
ユウト 40歳は10年付き合った相手から
新しい恋人ができたとふられ、
この2ヶ月の間、アプリで
30人くらいとデートしたのだと言う。

ただ、ユウトは奥手と言うか、真面目と
言うか、それぞれと連絡をとりあったあと、
必ずしっかり食事をとる。

もちろん会った当日、そういう流れ
(いわゆるエッチ)には持っていかず、
その後のやりとりで、なんとかなれば、
と期待したりしている。
とは言え、なかなかうまく行かない。

彼がノーということもあれば、
相手がノーということもある。
多くの人たちが言うように、
それは、その後のやり取りで
なんとなくわかるのだと話す。


かたや、昨日、初めて来てくれた
29歳のサカモト君は、ひと月ほど前に
4年の海外転勤から帰国。
あちらで3年付き合った外国人とは
離れるという理由で終止符を打った。

帰国してから、やっぱりアプリで
二人の男と会ったけれど、
両者とも、当日エッチをして、
それで終わってしまった。
気持ちの良さと言うよりは
虚しさだけが残った。


ユウトも、サカモト君も、
「やっぱり自分にはアプリは
向いていない。
写真や短文で何かを察知し、
それから短いチャットで
会おうと決めたところで、
何か違う、そう思ってしまうのだそうだ。

そんな二人から「こうして、店の中で
なんとなく話していて、心が動く、
そのほうがたぶん恋愛とすると、自然だと思う」

そんなことを耳にすると、時代は大きく変化しても
まだまだそういう気持ちの人も多いのだ、
ちょっとだけ胸を撫で下ろすことが出来たりする。

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2022年12月17日

学校に行かなかった日々

最近、よく来てくれるようになったセイジ君は
笑顔が爽やかな、ごくごく普通の29歳の青年だ。

彼は地方都市で、共働きの両親の元で育った。

しかし、小学校、中学校には
ほとんど行かなかったのだそうだ。
それはご両親の教育方針ではなく、
単純に彼が行きたくなかったからだと言う。

一応、学校には入学はしていて、
朝、家を出て、公園に行ったり、
自宅に戻ってきてから
両親の本や色々なモノで遊ぶ。

たまにふらりと学校に行くけれど、
また行きたくなくなると行かなくなる。
それをご両親もわかってはいるものの、
特に無理に行かせようとしない、
比較的自由な家庭だったとのことだ。

それにしても、学校で問題になったり
騒ぎになったりしなかったのかと聞くと
自分としてはわからない、というから
僕の子供時代とは変化ているのか、
それとも彼の地域が緩かったのだろうか。

ただ、中学中盤から預けられたおばあさんの
どうしても高校から大学に進学してほしい
という思いで、中学3年から猛勉強をして、
とりあえず大学まで進学はしたと言う。

ゲイとしての意識があったのは、もう
幼稚園くらいの頃。
もともと、人と違う生き方をしていたためか、
それで悩んだこともなかったと言う。

大学で格闘技をやったり、そのあと
会社に入ったりしながらも、
どこか人とは違う、それはゲイだからか、
それともコミュニケーション能力が
欠けているか、自分ではいまだにわからないらしい。

店で接している限り、個人的には
それほど得意な感じは受けないんだけれど。

ともあれ、本人が欠けている、と思っている以上に、
人とは違っても良い、という生き方を
選択できたセイジ君はある意味、羨ましい。

僕なんて、人と違う、ということで
どれほど悩み苦しんだのか。
あの頃の自分に、もっともっと
自由意志があったら、
そう思わなくもない。

ただ、その分、両親との
コミュニケーションは強かったのかも知れない。

色々な人生があり、
そのひとつひとつにも
きっと意味があるのだ。

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2022年12月15日

42時間不眠

一昨日は店が休みだったので、月曜日の夜は
2時過ぎに休み、朝9時過ぎに起きて、
昨日ここに書いた「泣いたり笑ったり」と
「ミセス・ハリス、パリへ行く」と観て、
夜ジムに行き、そこから家に帰って食事。

夜、録画したニュース番組を見て、
読みかけの本を読んでから寝ようとしたが
これが眠れない。

1時半くらいにベッドに入り、
寝返りを打ったりしながら、時計をチラ見、
はっと気が付くと4時半。

そこから起き出してリビングに行き、
白ワインをとりあえず1杯だけ、と
友人に勧められたテレビドラマを
これまた1本だけ、観ることにした。

ハッと気が付くと6時を過ぎており、
さすがに週末、帰宅して眠る時間に
近い、と、さて、これからぐっすり、
と思いきや、なんと眠れない。

そんなことをしていると、連れ合いが
起きてきて、一緒に食事を摂る。

彼が出かけてから、
お腹もいっぱいになったので
これでゆっくり眠れるかと思いきや
なんと眠れないのだ。

結局、配信で映画を一本観て、ジムは休み、
ベッドで横になっていたまま、眠れず、
仕事の時間となってしまう。

15年も店をやっていて、
さすがにこういうことは初めて
というだけではなく、
前の仕事をやっていた時も、
映像の編集作業で寝たくても寝られず、
という時以来の出来事。

店に行くと、結局眠たいどころか、
おかげさまで忙しく、あっという間の
時間が過ぎ、42時間起きていたこととなった。
いやはや。

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2022年12月14日

映画「泣いたり笑ったり」から考えること

一昨年のイタリア映画祭で上映されて
見逃していた「泣いたり笑ったり」を
やっと観ることができた。

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イタリアの大富豪家族と、
漁師をやっている労働者階級の
ふた組の家族が、とある出来事で
海辺の別荘に集まる。

蓋を開けると、なんと家長である
父親同士が同性愛者で、結婚を
する!というので大騒ぎとなる。

これが、全編いかにもイタリアらしい
笑いに満ちたテイストで描かれていくけれど、
そこに流れるのは、ストレートが
持ってしまう、ある意味、
当たり前の感情だったりする。

5年前にシビル・ユニオンという
結婚制度を同性にも与えたイタリアで、
そのことに反対はしなかったものの、
父親の結婚には異を唱える富豪の娘。
もちろん、漁師のイケメン息子も猛反対だ。


この映画を観ながら、ずいぶん前に
大学の同級生に僕がカミングアウトした時の
ことを思い出した。

僕の友人は「お前がそうであるのは
まったく問題ないし、俺は差別はしない主義。
でも、いざ自分の息子がそうだったりすると、
それは反対するだろうなあ」そう言った。

要は受け入れてもいないし、
認めてもいないのだ。
しかし、まったく同性愛者と関わることのない
人生で、そう感じるのは当然かも知れない。
僕はそう思った。

いつもこういう話が出た時に
「自分の親が『実は自分はマゾヒストで
異性から吊るされて、叩かれたりするのが
好きなのだ』とカミングアウトされる、
おそらく自分が同性愛者だ、と家族に
告白した時に、彼らが受ける衝撃、
というのはそういうモノだ」
と思うようにしている。

SMが悪い、ということじゃない。
ただ、それくらいショッキングなことなのだろう。

それほどインパクトがあることを
伝える、ということはよほど覚悟して、
相手の気持ちを思いやった上で
きちんと話す、ということなのだ、
この映画を観て改めてそう思った。
posted by みつあき at 18:36| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年12月12日

夢で見た夢

昨日、宝くじで10億円当たった、
という夢を見た。
これって、20年近く前に見た以来。
その時は半分くらいだったけれど。

夢の中で僕は10億円、何に使おう、
と右往左往しているかと言えば、そうでもない。

今、持っているうちのローンの残りを返して、
店をもう少し模様替えをする。

あとはコロナで行けなかったニューヨークに行き、
舞台を見まくり、行きたかったアルゼンチン、
トルコ、ポルトガルなどに行く。

店の休みの日には観たい映画や舞台を観て、
淡々とトレーニングに励む。

って、今までとほとんど一緒じゃないかと言われそうだ。

そう。
改めて考えると、僕にはどうしてもお金が
かかる贅沢をしたい、という欲求がないことに気が付く。

オートクチュールのスーツを着たいとも思わないし、
ちょっとオシャレで高いレストランで
美味しいモノを食べるのなんて、
月に一度くらいで十分だ。

あ、そうだ。店をひと月ほど休み、
作りたかったゲイ映画の脚本でも書き、
自分が好きな映画監督に出資して、
映画を作ってもらうというのは
良いのかも知れない。

それだと10億ではとても足らないのか。

貴方に10億円入ったら、何をしますか。

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2022年12月11日

渡辺徹夫妻のこと

渡辺徹氏が亡くなった。
日頃からテレビをほぼ観ない僕は
彼が出演したモノをほとんど知らない。

騒がれた「太陽にほえろ!」での彼も
観たことがなかったし、
歌手として出演した「ザ・ベストテン」や
徹子の部屋に出たのを見たくらいだろうか。

もちろん、その当時は
なんと爽やかでかっこいい俳優が
出てきた!と思ったものだった。

そうそう。もう随分前だけど
文学座の公演で、紀伊國屋ホールで
ラグビー部の部室を描いたモノを
観たことがあった。

まだまだ、あれほど太る前だったはずで
「ロッカールーム」とか言ったかな、と
ウィキペディアなどでその公演情報を探したけれど、
それらしいモノは見つからなかった。

内容もほとんど覚えていないけれど、
さすが舞台役者だなあと思ったことは
確かだった。


さてさて、数日前に、彼の葬儀を終えた
奥さんの榊原郁恵氏と、息子さんの
記者会見をYouTubeで観た。

うちの店に来てくれるアキヒコは
郁恵ちゃんの大ファンだったから
本当に可哀想だと言っていた。

しかし、そこに現れた彼女は
凛として、ということでもなく、
またさめざめと泣きはらすワケでもなく、
どういう質問にもハキハキ答え、
ずっと笑顔を絶やさすことはなかった。

それは明るく健康的な彼女のイメージを
決して壊すということもなく、
おそらく、亡くなった夫が
最も喜ぶだろう形を
しっかりと作りあげた会見だった。

何とか彼女の涙を、と思っていた
記者たちの思う壺には
まったくならなかったのだ。

彼女のことも、僕は舞台の
「ピーターパン」以外観たことがなかったし、
特に関心もなかったけれど、
この記者会見を見て、
改めて彼女は素晴らしい、
強くそう感じさせてもらえた。

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posted by みつあき at 13:08| Comment(0) | 人生 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年12月10日

夜が怖い

昨夜、店で35歳のツトムと薬を飲む、
飲まないという話になって、
彼も僕もほとんど薬には頼らない、
ということが一致した。

しかし、ツトムいわく、
唯一飲むのが眠剤だということだ。

とにかく、眠りに付くまでが
毎日、大変。
翌日、仕事が早い、とわかったら
余計に眠れなくなるのだと言う。

だから、昼間仕事をしたり、
プライベートで遊んだりしていても、
もう夜が来るのが怖いと。笑

昔「エルム街の悪夢」という映画があって、
あれは悪夢を見てしまうから、
夜が来るのが怖い、という映画だった。
それと同じかなとぼくは笑っていたが。

いや、本人、笑い事じゃなくて
かなり深刻な問題で、それで
病院にも通ったくらいなんだと言う。

ここに何度か書いたように、
僕も寝られないタイプ。
ただ、ジムに行って、
胸や脚のトレーニングをした日は
疲れているから、比較的すっと眠れたりする。

ぼく自身、仕事柄、朝の日光などは
浴びることは少ないけれど、
色々な人の見解に寄ると、
日光と運動は睡眠障害にはよく効くようだ。

それをツトムに伝えると、
仕事に行く時も、自宅から3分の駅から
電車に乗り、そこから地下を通って
会社まですぐ。ほぼ日光は当たらず、
なおかつ、運動もしていないようだ。

確かに疲れきっていないのかも。
今日から頑張って、もう少し
日光を浴びて、体力を使うようにします、
そう言っていたけれど、
かなり遅い時間まで飲んでいて、
今日のツトムはどうなんだろう(笑)


posted by みつあき at 15:40| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年12月09日

恋人の携帯

アツヒサ君は、数年前、15年付き合った
最愛の彼氏を亡くしたのだそうだ。
突然死だった。

両家族公認のパートナーでもあったし、
本当にショックだった。

恋人の兄弟からは、葬儀や
彼の持ち物に関して、
すべてアツヒサ君の意志を
尊重してくれる、ということだった。

葬儀の段取りなどしている中で、
パートナーの知り合いで、
アツヒサ君の知らない人たちに
連絡を取れるか、と
彼の携帯を手にしてみた。

過去、一緒に住んだ時には、
まったく手をかけたこともない
パートナーの携帯。

いくつか思い当たるパスワードを入れていき、
彼の亡くなった親御さんの誕生日を
打った瞬間にヒットをした。

彼が知らない人とのLINEのやり取りを
見ると、そこには多くの人との
関係が表れた。

いつの間に、こんなことをやっていたんだろう、
と不思議ながらにショック、と言うよりも
驚いた、というのが正直な気持ちだったと言う。

アツヒサ君も、一時期、セフレがいたりして、
亡くなってしまった彼を責められないなあ、
そんなふうに思ったそうだ。

結局、そういう人たちも含め、
アツヒサ君の知らない人たちに声をかけ、
3人ほどがお線香をあげに来てくれたらしい。


僕はもし同じ立番であったら、
パートナーの携帯を開けることはしないだろうけれど、
こればかりは、人それぞれだと思う。

色々な人生、色々な考え方がある、そう思った。

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2022年12月08日

ゲイが集うポルノ映画館とは

僕と同世代のモトムラ君が昨夜来てくれて、
以前、地方都市にある
ハッテン映画館で働いたことがある、と
話してくれた。

そこには、男女のポルノ映画館と
ホモ映画(ゲイ映画と言うと
『ブロークバック〜』的な
映画を想像するので、
ここでは一応、ホモという言葉を使う)
を上映している映画館が並んでいるのだそうだ。

一般的にホモ映画、と言うと、
いわゆる80年代くらいから作られた
ゲイ同士の絡みを中心にした成人映画。
と言っても、今作られていないので
おそらく過去作られた90年代前後の
ホモ映画が多くかけられていたそうだ。

その劇場には、映画を観に来る、という人は
本当に一部で、お年寄りはロビーで
知り合いと喋りまくる人がおり、
それ以外はほぼハッテンをしに来る
人たちなのだそうだ。

平日は2館で100人くらい、
週末となるとその倍くらいの
お客さんが来るというから、
都内のミニシアターよりも多いのかも知れない。

そして、彼が見た中ではゲイと言っても
4割くらいは、女装の人なのだそうだ。
それも20代から60代まで幅広い。

そんな女装に抜いてもらうために
来ているストレートも多いらしい。
そこでは飽き足らず、
一緒にホテルに行き、
また戻ってくるというパターンもあるらしい。
そのために外出OKとされているのも
凄いなあ、と。

もちろん、場内では組んずほぐれつ、
驚くほどのハレンチ状態。

そう思えば、僕がこの世界にデビューした
新宿パレスなんて、可愛いモノだった。
せいぜいズボンの上から触りあったり
手を握ったりして、外に出ていくくらい。
あそこは、一般の名画座だったから
ストレートも半分以上いたからだろう。

それにしても、今時、そういう映画館が
ある、というのは、衝撃的でもあり、
それなりにやっていけるのだなあ、と
感心した。

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