昨日のブログに、元首相の事件と共に
2人のお客さんの死に大変ショックを受けた
1日だった、ということを書いた。
その当日、昨夜の深夜0時前くらいに
以前よく来てくれていたタケル君32歳と
その知り合いが、久しぶりに来てくれた。
タケル君は、数ヶ月に一度ほど、
彼氏(と思っていた相手)と
二人でぶらりと来てくれていた。
「あ、今日、彼氏は?」と聞くと
「彼氏って、ヨシモトさんですか?」と
聞き返されて「そうそう。」と僕が言うと、
二人は顔を見合わせて、「やっぱり知らないんだ」
と呟いた。
そう。タケル君といつも一緒に来ていた
ヨシモトさん、54歳は、1月に脳梗塞で倒れ、
5月に息を引き取ったのだそうだった。
え。また・・・
何故、今日、この日、これほどまでに訃報を
耳にしなければならないのだろう。。。
そう思った。
そして、初めて知ったのだが、タケル君は
元々ストレートで、ゲイではないようだった。
7年前に、とあるストレートのバーで
バーテンのアルバイトをしているタケル君に
ヨシモトさんが声をかけ、仲良くなったらしい。
もちろん、最初からヨシモトさんは
自分をゲイだと話し、そういう興味があり、
タケル君に声をかけたそうだったが
ストレートと知ってからは、
そういう接し方は一切しなかったと言う。
大学を出て、行くあてもなくぶらぶらしていた
タケル君に、ヨシモトさんは、
世の中のありとあらゆること、
世界の歴史、経済、政治状況などを
飲みに連れて行きながら、色々教えたと言う。
そして、まだ25になるか、ならないかの
タケル君に、これからならまだ間に合うから
一生懸命勉強して、上を目指せと
伝えたらしい。
バイトの合間に週に2、3回は会っていて、
結局、タケル君の次の仕事の都合もあって、
ヨシモトさんの家に居候することになったのが
3年半ほど前だったそうだ。
それからタケル君はメキメキと力を延ばし、
昨年の夏には大手の企業へと就職をした。
お前、名刺入れも持っていないのか、と
就職祝いにヨシモトさんが使っていた
名刺入れを渡された。
今年の1月、いつも近所の公園で筋トレをしていた
ヨシモトさんだが、なかなか戻らず、
公園や色々な場所を探してうちに戻ってくると、
警察が病院経由で、連絡があったようだ。
ヨシモトさんは公園で倒れ、そのまま、
病院に運ばれ、意識不明のまま、
亡くなったのが5月ということだった。
そして、葬儀の際に初めて会ったのが
ヨシモトさんと同じ会社を経営していた
ヨシモトさんと同じ会社を経営していた
ゲイの人で、その彼と共に昨日、来てくれたのだった。
タケル君は何人かのガールフレンドはいたし、
もちろんヨシモトさんとはまったく
同性としての接触はなかった。
ただ、人生の中でこれほどまでに
色々なモノを教え、与えてくれた人は
いなかった、
ボロボロになった名刺入れを握りながら
タケル君は目を光らせてそう呟いた。
人との出会いや関係は、ストレートや
同性愛などの垣根を遥かに超えてしまうことが
あるのだなあ、つくづくそう思った。
やり切れないような気持ちの1日だったが、
タケル君の言葉に、僕もヨシモトさんの
ようになれるよう、頑張っていきたい、
そう思った。
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