この休業要請期間の間、
去年は来られなかった両親の墓参りに、と
久しぶりに関西へ。
両親の墓は神戸近くにあるけれど、
東京からの友人が大阪に来ている
とのことで食事をしたり、
関西に住む古い友人と会って色々話したりした。
この古い友人、と言うのは
なんともう20年ほど、ゲイの売り専を
やっているヤツだ。
何年も前に自分で開業し、
たまに声がかかると
いまだに自分でも出向くと言う。
まあ、ガタイも凄いし、
本当に人柄もいい奴なので
いまだに人気者なのだろう。
大学も出ていて、とても賢い人だけど、
大学も出ていて、とても賢い人だけど、
何故、そこまで売り専にこだわるのか。
「何百人もの売り専で働くゲイもノンケも
見てきて、何だか面白いなあって思ったからかなあ。」
そう言う。
「あと、お客さんのほとんどは物凄くきちんとしていて
でも、エロになると、ここまで乱れるの?
ってギャップが人間臭い。
ってギャップが人間臭い。
自分にはこういう部分をさらけ出してくれるんだ」と。
なるほど。
ここには何度か書いたけれど、
僕が昔アダルト・ビデオのプロデューサー時代に
AVを志願する女のコたちは
いわゆる何も考えていない軽いコたちばかりか
と思っていたけれど、蓋をあけると、
そこには色々なタイプがいた。
思い出すのは、一人の小説家を目指している
AV女優が、ぽつりと言ったひと言だった。
「底辺から見るお空は
晴れて輝かしいだけじゃなく、
どんよりと曇っていたり、
土砂降りだったり。
それを見ると、私は底辺のほうが
ずっと楽だなあって思うの。」
僕は、性風俗の世界が(ある意味、ゲイバーだって
そこに入る、と僕は思っているけれど)
決して底辺だとは思っていない。
でも、それでもちょっと自嘲しながら「底辺」
という言葉を使うのはよくわかる。
昨日会った友人は「エロほど、その人の根幹が
わかるモノって他にないかも。
ほとんど嘘や偽りで塗りたくっている人生の中でも
エロになると、正直になる。
だから、俺も優しくなれる。」そう言った。
僕自身は、相手が僕のことをタイプだと
思わなければ、性的な気持ちに火がつかない
タイプなので、売り専に行ったりすることは
ないけれど、彼の話を聞きながら、
何となく理解出来る気がした。
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