2021年05月24日

映画「レニー・ブルース」について

高校生の頃に観て以来、
ものすごく久しぶりにU-NEXTで
「レニー・ブルース」を観た。

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レニー・ブルースとは、1960年代に実在した
スタンダップ・コメディアン。
それをまだ若きダスティン・ホフマンが
見事に演じている。

レニーは、当時自分も出演していた舞台で
ストリップをしていた女性に恋をし、結婚をする。
日本でも僕が若い頃、ストリップの前に漫談が
あったりして、そこに今をときめく
ビートたけしなどが出たりしていたけれど、
今はどうなんだろうか。

公開当時、僕はホフマンの演技の凄さに
ただ、ただ圧倒されたのだけど、
今回改めて観てみると、この映画の
メッセージは実に深い。

彼は漫談の中で、黒人や女性、
同性愛蔑視する言葉をどんどん使いながら、
社会風刺をし、本当の差別とは、卑猥とは
どういういことなのかを笑いに変えていく。
それが観客にどっと受けるのだ。

しかし当然、それは警察の目に付けられ、
彼は何度も逮捕されてしまう。

出所したあと、彼がどのように
その言葉の毒を毒と見せず、
どのように、観客に想像力を持たせて
笑わせていったか、は本当に見もの。

そして、終盤の裁判のシーンの過激さは
ホフマン歴史に残る名演だ。


監督はボブ・フォッシー。
少し古めのミュージカル・ファンであれば
振付師、としてもよく知られており、
映画監督としても「オール・ザット・ジャズ」で
カンヌの最高賞パルム・ドールを取った人としても有名だ。

その作風、捉えかたから、ゲイじゃないか、
と思われる人も少なくないと思うけれど、
どちらかと言うと女好きで、
なおかつ名女優グウェン・バードンとの
嵐のような結婚生活は
テレビドラマ「フォッシー&バードン」で
描かれていた。

そのドラマの中でも、かなり奔放でオリジナリティを
いかに追求していくか、というフォッシーが
描かれていたが、まさにこの「レニー〜」でも
彼の心情が生かされている。


最後に、ひと言。
僕がリアルタイムで観た際に、クライマックスで
少しホフマンの股間が
ほんのちらりと見えるシーンがあった。
それも、かなり重要なシーンで。
しかし、そこには大きなボカシが入っていたのだ。
まるで、レニーを捕まえて行った検閲のごとく。
これを、レニーが生きていたら、
このような形なら、日本で公開するな、と怒っただろう。
若い僕もそう思った。

しかし、時代は変わった。
今回のU-NEXT版では、
しっかりとそのシーンは挿入されている。
ボカシを取ってみれば、え?この程度?
というほどだったけれど(笑)

機会があれば、是非。

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posted by みつあき at 15:47| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする