2021年05月31日

トーキング・ヘッズ ライブを観た日のこと

昨日書いたデヴィッド・バーンを初めて
僕が知ったのは、故今野雄二氏が
ミュージックマガジンという雑誌で
取り上げていたことだった。

今野さんが、大橋巨泉司会の11PMという
深夜番組で、男好き(つまりはゲイ)扱いを
されていて、常に笑いながら交わし、
決して全否定していなかった。
彼のそういう部分が、
個人的には何だか好感が持てた。

今野さんが本当にゲイであったか、どうかは
他の多くの著名人が実際、公言もしていなければ、
誰かと付き合ったりセックスをしたり
している事実もないため、わからない。
まあ、そんなこと、どうでも良いことでもあるけれど。


そんなこんなで、今野さんを通して
知ったデヴィッド・バーン率いる
トーキング・ヘッズの来日公演を観たのは
2丁目から歩いてもすぐ、という
当時の新宿厚生年金会館。
20代中盤だった。

ストレートの友人と行ったのだが、
前から10列目ほどの非常に良い座席だった。
彼らが登場すると観客は総立ち。
僕らもすかさず立ち上がっていた。
(今は極力、ずっと座って観ていたい、
と思うのだけれど。笑)

ところが、僕らのすぐ前の座席にいる5、6人は
ずっと座って観ていて、その前の座席が
一列全部、空いていたのだ。

5、6曲、終わった頃だっただろうか。
僕の友人が「あの空いている座席に
移動しようぜ」と言い、2列前の座席目掛けて
僕らは移動した。

そして先ほどと同様、
立ち上がって観ていたのだが
僕の真後ろの座席の人間が、ドンドンと
僕の椅子を蹴る。
うしろを観ると「座れ!」と怒鳴る。
彼の横にいた女性が、「すみません。
私たちの席なんです、そこ」と言われる。

おそらく彼らは自分の前の客が立たないように、
前の座席一列を買っていたのだろう。

それよりも、驚いたのは、僕に座れ!!
と怒鳴ったのは、当時ものすごく有名な
ファッション・デザイナーだった。
オシャレに疎い僕でさえ、
よく彼の顔は知っていた。
それくらい当時メディアに
出ている人だったのだ。
僕らは、すごすごと、自分たちの座席に戻った。
心の中では何だか申し訳なく、
恥ずかしい気持ちを持ちながらも、
それでも彼らの素晴らしいライブに
酔わされた一夜となった。


しかし、驚くのはこのあとだった。
ライブが終わり、友人と軽く
食事をして別れてから、僕は
2丁目近く(きちんと言うと四ツ谷)にある
ハッテン場に行ったのだ。
ライブから2時間後くらいだった。

なんと、そこにさっき僕が移動した座席を
蹴った彼がいた。
ゲイだと聞いたことはあったけれど、
まさかこういう形で、それも一夜に二度も会うとは。

幸か不幸か、彼と一戦を交えることは
なかったけれど、僕の人生サプライズの5本の
指に入る1本、という出来事だった。

デヴィッド・バーンと聞くと
まだ、あの日のことが忘れられない。

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2021年05月30日

お勧め映画「アメリカン・ユートピア」

デヴィッド・バーンはトーキング・ヘッズという
グループ活動を経て、ソロでも多くの
アルバムを出しているアーティストだ。

僕はこの素敵なアーティストが大好きで、
彼のライブは東京でも、ニューヨークでも
観ているけれど、一昨年からブロードウェイで
パフォーマンスが「アメリカン・ユートピア」だ。

きめ細かく演出されたと言われる
ライブ舞台も好評だったけれど、
それが映画として撮影されたのがこれだ。

Unknown-12.jpeg

スパイク・リーの演出も、
高い評価を受けていたことで
本当に楽しみにしていた。

そして、渋谷の土曜日の夜、体験したこの映画。
これが想像を遥かに超える
上出来のパフォーマンスだった。

昔から身体をくねらせながら、
力強く歌いあげるエロチックなバーンだが、
そのバックを支えるのが11人の
多国籍なバンドメンバー。

キーボード、ギタリスト、
パーカッション奏者にコーラス。

特にあらゆるパーカッショニストがいるのは、
それぞれがアンプやケーブル、マイクスタンドなどを
排除し、ハーネスに楽器をぶら下げて、
全員が動き、踊り、歌いあげていく。
まるで、ハイエナのように、
もしくは虫のように(笑)

その見事なまでのパフォーマンスのみならず、
曲ごとに変化するライティングの妙、
シンプルかつ効果的な美術構成、
そして一曲一曲に込められた強いメッセージが凄い。

そこには移民や黒人、女性、そしてLGBT
あらゆる差別を含めた、今、アメリカが
抱えている危機的状況。

それを決して諦めることではなく、
我々の手で変えていこうと、
バーンは観客に投げかける。
そして、その解決には「繋がっていくこと」
しかないのだ、と。

楽曲"Everyday is A Miracle"の歌詞が
素晴らしい。
そこには、世の中には驚くような奇妙で面白いことが
どんどん起こり、何が普通で
何が普通じゃないか、何も
確定しないけれど、そのすべてが奇跡なのだ、と。

歌詞のすべては日本語字幕で翻訳されるから、
英語がまったく完璧ではない僕にも
しっかりと言葉が溶け込んでくる。

70歳を迎えようとしているバーンの
あまりにも若々しいエネルギーに
勇気と希望を与えられ、
その表現力に心を鷲掴みにされる。

このコロナ禍だからこそ、
ずっしりと響くこのライブ。
この秋から来年初頭にかけて、
改めて開かれるブロードウェイで再演されるようだ。

その時に、コロナがどうなっているか。
日本からあちらに行けるか。
是非とも、この目で確認したい。
心も身体も打ち震える映像体験だった。

彼のファンならずとも是非。

そう。何十年も前、彼のライブを観に行ったその日に
色々なゲイ的な事件が起こったけれど、それは
明日のブログとかで、また。

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2021年05月29日

休業要請、そして「悪い奴ほどよく眠る」

予想されたように、緊急事態宣言が
再々延長され、アルコール提供業者に
休業要請がまた出されたので、
まずはそのお知らせから。

このHPのトップにも載せますが、
今月に引き続き、来月20日まで
休業することにいたしましたので、
何卒、よろしくお願いします。

ふ〜む・・・
人生で、これほど働いていないことが続くのは
ほぼ初めてかも。


まあ、それはさておき。
昨日は黒澤明の「悪い奴ほどよく眠る」を観た。

Unknown-11.jpeg

僕が大学生の時に、国立フィルムセンターで
黒澤明の映画をすべて上映することになり、
(とは言っていても、当時まだ黒澤さんは
健在であり、彼が当時作っていた作品の前まで、
という意味だ)
毎日、学校とアルバイトのあみまを縫って
通い詰めた。
あまりにもくたくたで、途中寝てしまった
映画もそこそこあり、その中で
ほとんど覚えていなかったのが
「悪い奴ほどよく眠る」だった。

そういうワケで、今回初見のつもりで
観たのだけれど、さすがに黒澤映画!
エンターテインメントに徹していながらも、
あまりにも渋く、重厚な出来だった。


映画は、日本未利用の土地開発公団の副総裁、
その娘(香川京子)と、三船敏郎演じる
副総裁の秘書、西との結婚式から始まる。

あまりにも多くの記者が
そこに集っていたのは、
華々しい式を記事にするためではなく、
その公社の社員が汚職で逮捕された、
ということからだった。

この結婚式の記者たちの会話や、
その後の公社関係者の言葉から
昔、公団絡みの不正事件から
課長補佐が自殺したということや、
今回の汚職も幹部も関係している、
ということがわかってくる。


このオープニングで、人間関係の複雑さや、
話の面倒臭さを思うけれど、それは一瞬で
このあと、物語は雪崩のように
面白く展開し、クライマックスには
驚くような仕掛けが隠されている。

他の多くの黒澤作品とは
またひと味もふた味も違う三船敏郎が
人間の高潔なところと、残忍で汚れた部分を
見事に使い分けていて、
まだ 40歳にもなっていないとは
思えないほどの深い演技には興奮させられる。

そして、まるで北欧の名監督ベルイマンかと
思わせるような陰影があるモノクロームの映像、
この黒澤の演出の手腕には鳥肌が立つ。

また、この映画から今現在の
日本の状況さえ、深く考えさせられることも多くある。

さあ、もう一度、改めて黒澤作品を
しっかりと見直さなければ。
そう思わされた一作。

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2021年05月28日

地下鉄での缶チューハイ

昨日はどこにも行かず、
何もせず的なブログを書き終わって、
ふ〜むとため息をつき、
いや、これじゃダメになる、と
思い立って、結局夜7時を過ぎてから
ジムへと向かった。

この時間帯は、仕事終わりの人が多く、
たまにお客さんとも会うので、
ちょっと恥ずかしいやら、申し訳ないやら。

まあ、そんなこんなで、10時前の
地下鉄で自宅へと向かったのだが、
電車はとても空いていた。

その地下鉄の中で、僕と同世代の
中年男性が、おもむろにカバンから
缶チューハイを出して飲み始めた。

それを目にした向かいに座っていた女性は
ものすごく不愉快な顔をして、
「お酒、禁止ですよ」と言い放って
電車を降りていった。

禁止?なのだろうか。

今、街の中で、この20時を過ぎたこの時間、
自宅以外ではなかなか飲酒が出来ない。
公園で飲んでいても、注意される世の中だ。

そういう時期に確かに地下鉄の中で
飲む、という行為はそれほど
褒められたモノじゃないかも知れない。
でも、その男性は、特に迷惑をかけることもなく、
マスクをずらして気持ち良さそうにひと口飲み、
雑誌を読んだりしていたのだ。


思えば、海外で、屋外で飲酒を強く禁止している
国は多く、アメリカではビーチでさえダメ。
増して、地下鉄や乗り物の中なんて
絶対ダメだったりする。

大昔、そんな厳しさを知らなかった僕は
初めてロスのゲイクラブに行った際、
トイレがものすごく混んでおり、
外にあるパブリックバスに
行こうと、ビール瓶片手に
一歩、クラブの外に出ようとしたら
「もう、お前はこのクラブに入れない。
ブラックリストに入れる」と言われて
追い出されたことがあった。

一人でもそういう客がいた、と通報されると
そのクラブは営業停止になるのだと言う。

話が逸れたけれど、そういう意味では
本当に自由で有難い、そんな国で
こうして自粛警察的なことが
普通になってしまう時代になっている。

何か理由があって、自宅でも
お酒が飲めない、という人もいるのかも知れない。
そういう人は、どこでどう飲めば良いのか。
だから、公共交通機関の中なら良い、
というワケではないのは重々承知だけれど。

なんだかとっても複雑な気持ちになった。

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2021年05月27日

籠った日

また、ひと月近く、店を休まざるを得ない
緊急事態宣言の延長になりそうだ。

ちまたでは、闇営業ならぬ、
別に気にせず普通に営業をしているところも
それなりにあるとも聞く。

罰金を取られた、という声も聞こえてこない。

やったもん勝ち、という言葉も聞くし、
逆に休んでいて、給付金が出るのなら、
大いに休んでいるほうが楽との言葉も。


ただ、ここまで我慢をしていて、今さら、
自分やお客さんが感染をしてしまっては、
という気持ちもある。

お客さんたちと顔を合わせたい、
話がしたい、という気持ちも山ほどある。

複雑な気持ちで
色々なことが頭に浮かんではきえないながら、
結構な雨が降った1日、
映画を観ることも、
本を読むこともなく、
ジムに行くこともなく、
ぼんやりと窓から外を眺めて1日が終わった。

僕にとっては珍しいけれど、
そういう日があっても良いのかも知れない。

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2021年05月26日

新たなビストロでの語らい

昨日は久しぶりに古い友人のトモヨリと二人で、
それこそ古い友人のタナベちゃんが
先月オープンした
四ツ谷のレストランに食事に行った。

トモヨリとタナベちゃんは、僕よりも
ひと回り下で、それこそ二人とも20代前半、
僕が30歳を超えた頃に知り合い、
よく一緒に飲んだ。

タナベちゃんは、それこそ2丁目で
バードランドという店を営業し、
ちょうど僕がBridgeを
オープンする直前にクローズ。

銀座の大手のレストランに引き抜かれ、
その後、新宿御苑にあった
マエストロベーカリーに勤めていた。

しかし、去年、このコロナの影響で閉店。
結局、タナベちゃんは、同じベーカリーで
料理長をされていた人と二人で
「ビストロ モンブレ」をオープンした。

Unknown-10.jpeg

店は小さいながらも、12人ほどはゆったりと
座れる素敵なお店で、地下にありながらも
換気も良く、落ち着いており、
フレンチをメインにした料理は
どれもとっても美味しかった。


トモヨリとは、映画の趣味がものすごく合い、
いまだに3日に空けずと、
新しい映画、古い映画の
情報交換をしている。
7割がた、彼が良いと言うモノは
僕も好きだったりするので
とても参考になるのだ。

だから、それほど久しぶり感は
なかったものの、こうして向き合って
食事が出来ることは大切だなあと
つくづく思った。

ちょっと早めに会うことが出来、
会話は映画からお互いの近況、
友人、果ては政治の話までも
あっという間に4時間近くが過ぎた。

このような状態で
店をオープンしたタナベちゃんには
心から拍手を送りたい。
ごちそうさまでした。

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2021年05月25日

花がある生活

僕が行くジムの近くに
結構大きめの花屋があり、
夕方から夜にかけて、かなりの人が
買いに来ていて驚く。

自宅にいる時間が長くなったからか、
それまでには見なかった人だかりた。
もちろん、他の花屋よりも
それなりに安価だったりすることもある。
人束300円ほどで、3つ買っても
千円いないだったりするからだ。

多くは女性だが、10人に一人くらいは
男性もいる。

ちょっと暇つぶしに眺めて見ていると、
僕もついつい欲しくなってしまう。
そうすると、うちにある花瓶だけでは
足らなくなったりもする(笑)

先日、ここにも書いたけれど、
観葉植物をずいぶん自宅の部屋の中に入れて
かなりリラックス出来る空間になった。
そんなことが引き金になった
ということもある。

ちょっと前までは、うちに
花を飾るなんて気持ちは
まったくなかったのだけれど、
これはコロナ騒動で生まれた
良いことのひとつだったかも知れない。

IMG_5734.jpg

ただ、僕に限らず、比較的男性は
「花なんて、女性が愛でるモノ」というような
意識を持ちがちで、それこそ
「男らしさ」「女性っぽさ」
というような印象や
自分の中の差別意識のようなモノが
働いていたのかも知れない。

そもそも日本人男性が
花を買って持って帰るところなど
ほとんど見たことがない。
ニューヨークなどを歩いていると、
ゲイに限らず、花を持って歩いている
男性に数多く見かける。

花がある生活の中で、また何かひとつ
変わるかも知れない。

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2021年05月24日

映画「レニー・ブルース」について

高校生の頃に観て以来、
ものすごく久しぶりにU-NEXTで
「レニー・ブルース」を観た。

Unknown-9.jpeg

レニー・ブルースとは、1960年代に実在した
スタンダップ・コメディアン。
それをまだ若きダスティン・ホフマンが
見事に演じている。

レニーは、当時自分も出演していた舞台で
ストリップをしていた女性に恋をし、結婚をする。
日本でも僕が若い頃、ストリップの前に漫談が
あったりして、そこに今をときめく
ビートたけしなどが出たりしていたけれど、
今はどうなんだろうか。

公開当時、僕はホフマンの演技の凄さに
ただ、ただ圧倒されたのだけど、
今回改めて観てみると、この映画の
メッセージは実に深い。

彼は漫談の中で、黒人や女性、
同性愛蔑視する言葉をどんどん使いながら、
社会風刺をし、本当の差別とは、卑猥とは
どういういことなのかを笑いに変えていく。
それが観客にどっと受けるのだ。

しかし当然、それは警察の目に付けられ、
彼は何度も逮捕されてしまう。

出所したあと、彼がどのように
その言葉の毒を毒と見せず、
どのように、観客に想像力を持たせて
笑わせていったか、は本当に見もの。

そして、終盤の裁判のシーンの過激さは
ホフマン歴史に残る名演だ。


監督はボブ・フォッシー。
少し古めのミュージカル・ファンであれば
振付師、としてもよく知られており、
映画監督としても「オール・ザット・ジャズ」で
カンヌの最高賞パルム・ドールを取った人としても有名だ。

その作風、捉えかたから、ゲイじゃないか、
と思われる人も少なくないと思うけれど、
どちらかと言うと女好きで、
なおかつ名女優グウェン・バードンとの
嵐のような結婚生活は
テレビドラマ「フォッシー&バードン」で
描かれていた。

そのドラマの中でも、かなり奔放でオリジナリティを
いかに追求していくか、というフォッシーが
描かれていたが、まさにこの「レニー〜」でも
彼の心情が生かされている。


最後に、ひと言。
僕がリアルタイムで観た際に、クライマックスで
少しホフマンの股間が
ほんのちらりと見えるシーンがあった。
それも、かなり重要なシーンで。
しかし、そこには大きなボカシが入っていたのだ。
まるで、レニーを捕まえて行った検閲のごとく。
これを、レニーが生きていたら、
このような形なら、日本で公開するな、と怒っただろう。
若い僕もそう思った。

しかし、時代は変わった。
今回のU-NEXT版では、
しっかりとそのシーンは挿入されている。
ボカシを取ってみれば、え?この程度?
というほどだったけれど(笑)

機会があれば、是非。

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2021年05月23日

リアル過ぎる夢

僕はまあまあ夢を見るほうで
夜中に起きた瞬間、おおっ!などと
ショックを受けたりするけれど、
朝、起きるとほとんど覚えていなかったりする。
そういうものだ。

しかし、昨日の夢はすごくリアルで
ベッドの中から、抜け出せなくなってしまった。

と言うのは、夢の中で、ある日、普通に店に
仕事に行くと、うちの店の内装が
まったく変わっており、
別の人間が営業準備をしている。

「あの、ここ、僕の店なのですが」と
言うと、「え?大家さんに聞いていないですか?
私が権利を請け負いましたので」と
まったく見知らぬ別の人が応える。
要は、乗っ取られてしまっていたのだ。

大屋さんに連絡しようにも、何度電話をしても
連絡がつかず、次々とまったく知らない
お客さんたちが、店に入ってくる。
男性客はもちろんいるけれど、女性客も多い。

そこがゲイバーとしてなのか、なんなのか。

その中で唯一、うちの常連の一人のお客さんが
間違って、と言うか、僕が営業をしていると思い、
やってきて、愕然とする。

「なんだか、こんな風になってしまった。」と
僕が悲しそうに言うと、
彼も遠くベランダの空を見ながら、黙り込んでしまう。


目が覚めて、ちょっとの時間のあいだ、
夢だということが理解できずに、
ベッドの中で「う〜ん。今日のブログ、
どういうふうに書こうか」などと
真剣に悩んでしまった。

夢の中では、コロナ禍なのかどうかは
まったくわからなかったけれど、
少なくとも、僕の心の中では
このコロナが何らかの形で影響をし、
この夢に繋がったのだと思う。

ああ、夢だったんだ、とホッとしたら
雨天が続く日の中で今朝はものすごく
良い天気で、少し落ち着いたのだった。

いやはや。
夢にまでコロナの影響があるとは。とほほ。

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2021年05月22日

芸能人同士の結婚でちょっと考えたこと

連日、テレビを賑わしているコロナのニュースを
抜いて、一昨日トップニュースで扱われた
星野源と新垣結衣、両氏の結婚。

SNSなどでも、二人への祝辞と
喪失感からロスが呟かれたりしたようだけれど、
僕は二人が主演したヒットドラマも
観ていないし、昨今の俳優やタレントに
とっても疎いので、そうなんだ、ふ〜ん程度の
感想しか持てないのだけれど。

思えば、僕の時代、山口百恵、三浦友和を
始めとして、郷ひろみ、二谷友里恵、
松平健、大地真央など物凄い豪華結婚式を
それこそゴールデンタイムに流したりし、
バブルだったなあとつくづく思う。

そして、僕が呼ばれた友人たちの挙式も
芸能人ほどとはいかなくても、
かなり恥ずかしくなるような結婚式が多かった。
下手すると3度くらいあるお色直し、
ゴンドラや鏡開き、天井まであるような
ウエディング・ケーキ。

おそらく結婚をしないだろうと思っていた
僕は、両親への手紙などに
少しもらい泣きをしながらも、
申し訳ないけれど、なんだかなあ
そう思っていた。


そして、一昨日のニュースを聞きながら、
いつかこの国でも男性同士、女性同士の有名人の
結婚(仮に同性婚が出来る時代になったとして)
もしくはお付き合い宣言、
というモノがニュースのトップに
躍り出る、ということがあるのだろうか。

そして、それを見る人たちの反応は
どうなんだろうなんて考えてしまった。

健在の人を例にあげるのは、
ちょっとはばかられるので、
故人を挙げれば、たとえば高倉健、
石原裕次郎クラスのビッグタレントが
「実はゲイです」と言い、二人が
共に幸せになります、というようなことが
あったとしたら。

それこそ、一昨日の自民党の法案問題で
どうこう言っているうちは、
世間の反応も冷ややかだったり、
気持ち悪い、という声が高いのか、
それとも微笑ましく迎えてくれるのか。

喜びやお祝いの気持ちも通りこして、
僕も今回と同じように、ふ〜ん、そっかあ、
そんなふうに自然に思える、
僕が生きているうちに
そんなふうに変わることは・・・

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2021年05月21日

LGBT法案の先送りについて

多くの人が目にしたと思うけれど、
昨日の与党の「LGBTなど性的少数者に
対する理解増進法案」の審査の件。

「差別は許されない」ということに対して、
「法を盾に裁判が乱発する」とか
「道徳的にLGBTは認められない」
「人間は種の保存をしなければならず、
LGBTはそれに背くもの」
などという保守系議員から
反対意見が大勢を占めたらしい。

そんなワケで、この懸案は先送り。

しかし、どの意見を聞いても、まったく
理解出来ない。
世界全体で、多様性やあらゆる差別の問題が
色々な角度から問題視されているな中で、
いまだにこういう意見を
平気で言っている議員が多いことは
心から恥ずべきことだと思う。

「生産性がない」や
「LGBTばかりになると区が滅ぶ」発言で
あれだけ多くの人からバッシングをされても、
この党はまったく変わっていないということなのか。

なんだか情けないを通り越して、
悲しくなってしまう。

僕は日頃から、人それぞれ、色々な考え方があって良い、
僕は日頃からそう思っている。

自分が迷惑さえかけなければ
どう生きていこうが勝手だし、
生きたいように生きていけば良い、
確かにそう思う。

しかし、そもそも病気である、とか
社会秩序を乱す、という前時代的な
考え方こそ、きっちりと正さないといけない、
そう考え、訴えていく人たちは
間違っているのだろうか。

これと、「世界平和の象徴として
日本で五輪を!」という意見さえ
真逆であること、それが世界から
どれだけ批判を受けることなのか。
この国のリーダーたちには
本当にしっかりと考えてもらいたい。

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2021年05月20日

友との再会

昨日、大阪からストレートの友人が
出張で上京し、仕事が早めに終わったとのことで
久しぶりにゆっくりと話すことが出来た。

彼は、もう20年以上前に、僕が好きな
ロックアーティストのファンということで
他の何人かと一緒に、ネットで
知り合った仲間の一人だ。
ただ、彼とは郷里も近い、ということもあり、
音楽の話だけではなく、当時はよく
電話でも話をした。

うちの店にも数回来たことがあるけれど、
こうして、じっくりと話すのは
何年ぶりだろう。


7歳年下の彼は、20代後半で結婚をし、
二人の子供がいることや、
浮気というか、ちょっと本気になって
大変なことをしてしまった、
という結構シビアな話も聞いた。
僕もちょうどガンの手術をしたばかりで
そんな話の流れから、当時、
カミングアウトをした。

電話でその話をした時に、彼が
「そんなに大切な話をしてくれて、
ありがとう」と
声を詰まらせていたのが、
もう20年も前か、と懐かしく思う。

大阪に帰省した際には、
まだ健在だったうちの両親と共に飲んだり、
また彼の家に遊びに行ったこともあり、
その流れで、彼の奥さん、子供たちを連れて
東京の僕のうちに泊まりに来たこともあった。

まだ小学校に上がったばかりの彼の長男と
幼稚園くらいだった次男は可愛く、
うちで大騒ぎをし、腹をかかえて笑った。

その時に、友人が子供たちに
僕と僕の彼を指し「このおじちゃんたちは
僕とお母さんと同じ夫婦みたいなモノなんだよ」
としっかり話をしてくれたのには驚いた。

下のコが不思議そうな顔をして
「じゃ、どっちがおっちゃんで
どっちがおばちゃん?」と聞き、
僕たちは笑いながら、「どっちも
おじちゃんおばちゃんなんだよ」と答えた。

答えながらも、これくらいの歳の子供でさえ、
同性同士でも、そこに男役、女役、
というモノが生まれる、と
考えてしまうのだなあと理解した。

昨日は、そんな懐かしい話をしながら、
その息子たちはもう20代後半に入り、
うちのスタッフと変わらない年齢なのだと
とても不思議な気持ちになった。

時は確実に流れている。
そして僕らは、さほど変わらずに
特に隠し立てすることもなく、
多く語ることが出来るのは有難い、
そんなふうに思った。

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2021年05月19日

故 田村正和氏と初出演映画「永遠の人」のこと

昨日、俳優の田村正和さんの訃報が流れた。
あまりテレビを観ていない僕でも
「刑事コロンボ」のアイデアを引用した
「古畑任三郎シリーズ」は、ほぼすべて観た。

ゲイ的には「ニューヨーク恋物語」というのが
評判になっていたようだけれど、僕はこれは未見。

今回の訃報で、彼はスタッフ以外の人と会うのが
嫌で、舞台はもちろん、映画にも1980年代以降、
ほとんど出なかったと言う。
凄いのは、同じ敷地内で暮らしている家族とも
一緒に食事をするのは、年に一度。
それは、彼のお父さんだった阪東妻三郎も
同様だったらしい。

そんなワケで、彼が出た映画を思い浮かべてみると、
去年、初めて観た木下恵介監督の「永遠の人」
(これがまさに田村氏の初出演だったらしいが)
一本だけだった。

彼の出番は少ないけれど、映画としては
驚くべきドラマ性と演出力で
おそらく木下作品の中でも
「女の園」と同列に並ぶ
最高傑作と言って良いと思う。

Unknown-8.jpeg


この映画の舞台は昭和七年。
高峰秀子扮するさだ子は、
佐田啓二演じる隆という恋人がいながら、
仲代達也の平兵衛にレイプを受け、
彼の妻にさせられる。

その二人の間にできた長男の役が
田村氏で、映画では中学生から
高校生を不器用ながら演じる。

彼の芝居はともかく、映画はさだ子の
平兵衛に対する憎しみと苦しみ、
そして隆への永遠の想いを
これでもか、と描く。

1961年に作られた古臭い映画と
思いきや、ところどころでフラメンコが流れ、
モノクロームで見せられる阿蘇の風景が
あまりにも美しく、いちいち震え上がった。


田村さんのご冥福をお祈りします。

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2021年05月18日

女性苦手なゲイ

昨日、たまたまツイッターで
「オンナ嫌いなゲイ」という漫画を見つけた。
それを読みながら、ああ、いるいる、こういう人、とか
あるある、こういうパターン、と思っていて、
ふと思い出したことがあった。

店をオープンするよりも前に
知り合った一人の男性が、それはそれは
女性が苦手、いや苦手というよりも
嫌悪感丸出しだったことを思い出した。

彼とはとある飲み屋で会ったのだが、
他の店に行こうとすると、
ゲイバーであれ、そうでなくても、
とにかく女性客がいるところを
絶対イヤなのだ、と言い張った。

何故、そこまで?と聞くと
女性の声を耳にするだけで嫌、
化粧の匂いも嫌、長い髪も嫌、
とにかく、その存在自体が嫌だと、
ある意味、性的なことを
乗り越えてしまっていた。
そう、昨今問題にされる、
ある意味、性差別や女性蔑視に近かった。

驚くのは、彼が勤めていた会社も
女性社員がいるから辞めて
男だらけの建築現場に入ったらしいし、
女性と同じ電車に乗るのが嫌で
車を買って、ほぼ車の生活らしかった。

お母さんや、兄妹とは?と尋ねると
大嫌い、とひと言。
それ以上は何も応えなかったので
僕も深くは聞かなかった。
でも、幼少時期に、何かトラウマのようなモノが
あったのかも知れない。

レズビアンの女性などで、
男性が嫌い、という人は
むしろゲイの異性嫌悪よりも
多いと耳にしたりする。
そこにも、もちろん性的な事柄も大きいだろうけれど、
いわゆる男性社会や、女性蔑視から
生まれていたりもするだろう。

もちろん、欧米にもそういう人たちは
多勢いるのかも知れないけれど、
男性優位的な嫌悪感、という意味では
日本は顕著なのかも知れないなあ。
そんなふうに思った。

とは言っても、正直な話、自分の店で
声高にキャアキャアと騒ぐ女性がいたとすると
(ほとんど経験はないけれど)、
注意したり、抑えてもらったりするのは
至極当然だと思っている。

もちろん、その激しさによっては
女性に限らないけれど(笑)

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2021年05月17日

ネットで見つけた名画の数々

ついこの前、自分で録画したきた
DVD、Blu-rayについて書いた。
その中には、映画好きな人であれば
うわっ!何故こんなモノが!?と
いう代物もそこそこあったりする。

ここ何十年も衛星放送やCSなど、
なかなか観られない古い映画などを
出来るだけチェックしているけれど、
それでも権利や放映期間の問題で
なかなか観ることが出来ない映画も多い。

増して、いくら評価が高くても、
今の若い人から名前も聞いたことがない!
と思われるような映画は
どんどん葬られていってしまう。

そんなところに登場したのが
ネット配信だった。

vod-matome-202011-top.jpg

多くの配信サイトにどんな映画が入っているか
チェックするのは楽しいけれど、
本当にキリがない。

独自の製作で水準の高さを持つNetflix、
そして幅広く新作、
旧作をかかえるAmazon Prime、
エンターテインメントに徹しているHulu、dTV、
海外のドラマ(BLなども含めて)が
強いRakuten TVや、TSUTAYA、
その他、テレビ局系のモノは、
やはりテレビドラマが山ほどある。

多くのサイトが月額料金が1000円以下から
映画1本の値段よりも安かったりする。

そんな中、他よりも少しだけ高い(と言っても
月2額2189円)U-NEXTに、
かなりの掘り出しモノが
あると聞いて、観てみると確かに凄い。

これを読んでいるほとんどの人が
あまり関心がなかったり、
聞いたこともないだろうけれど、
僕が震えた映画を並べてみると・・・

アカデミー賞にノミネートされて公開されなかった
「テンダー・マーシー」や、ゲイと噂されていた
ダーク・ボガートの「できごと」、
コスタ・ガブラスの「シシリーの黒い霧」
ずっと観たかったポーランドの「夜の第三部分」
映画祭でしか観られなかったキム・ギドクの「受取人不明」
ボブ・フォッシーの「レニー・ブルース」や「スター80」

何十年も通った名画座やら、テレビでは
とんと観ることが出来なかったモノがここにある。

つい、鬱々となるコロナ禍で
僕にとっては嬉しい出来事だ。

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2021年05月16日

ドメニコ・スタルノーネ「靴ひも」を読んで

イタリアの作家が書いた小説「靴ひも」。

今回、この本を読むきっかけとなったのが
今、オンラインで開催されているイタリア映画祭で
配信されている同名の映画の紹介があり、
「とにかく、映画よりも本が面白い!」
と言われていたため、
早速、読んでみた。

590161_l.jpg


登場人物は、夫婦(20代後半から60も過ぎた二人を
描いていく)と、二人の子供(姉と弟)、
そして夫の愛人がメインだ。

小説は三章に分かれていて、
第一章は、妻から夫への手紙だ。
結婚して12年で女を作り、彼女の元へ
出て行ってしまった夫。
それから4年経過して、
彼に送った文面が綴られる。

「あなたは浮気によって、いかに私を裏切り、
自分はどれだけ傷つけられたか」という
怒りとも悔しさとも言えない言葉が
延々と並んでいる。

第二章は、まったく文体も代わり、
夫の独白だ。
第一章から、30年近く経ち、
年老いた二人は、一見、元のさやに
戻っているようで、連れ立って、
ヴァカンスへ出かけるところから始まる。
しかし、それぞれのその心の底には
当然のように色々なモノがある。

過去、分かれていた時期、子供と会いに
たびたび家を訪れた自分と
妻、そして愛人との間に
どんなことが起こったのか。

そして、ヴァカンスから
帰ってきたマンションは、
部屋に強盗らしき人間が入った形跡がある。
家中、めちゃくちゃに荒らされ、可愛がっていた
猫の姿さえいなくなっている。

第三章では、この強盗らしき人間と
その行為を見せながら、
身勝手なふるまいで家族を壊した夫と、
感情的にぶつかっていき、暴言を吐き続けた妻を
一章、二章とはまったく違う角度から
書かれていく。これまた文体も違う。

その二人のどうしようもない傲慢な人間の哀れ、
それでもでも、いたしかたない不甲斐なさが
露呈されていく。

タイトルの「靴ひも」は、
この夫が自分の息子と
同じ結び方で結んだ靴ひもを通じて、
家族の絆、人間の結びつき、が
タイトに見えながらも緩いモノかを表しているようだ。


なかなか先が読めない、というサスペンス色も含めて
非常に面白く読むことが出来た。
しかしながら、僕は
その登場人物それぞれに
どこも共感出来ない、という
心地悪さも同時に感じた。

ちなみに、オンラインで同名の映画も観たけれど、
小説では客観的にしか描かれていない
夫の愛人が、かなりクローズアップされている。
それはそれでわかり易くはなっていたけれど、
小説のどうなるんだろうか、という
ワクワク感は欠けていた。

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2021年05月15日

「お前」という言葉

結構、好きで聴いているラジオで
70歳くらいのパーソナリティがいる。

彼はレギュラーパートナーの女性などに
その彼女がおバカな発言をするたびに、
「お前なあ」などと笑っている。
その微笑ましいやり取りは
今までほとんど気にならなかったのが
最近、少し気になるようになった。

断っておくけれど、そのパーソナリティが
「お前」と言うのは、特に相手が女性だから、
ということではなく、比較的若手の男性などにも
同じく「ところで、お前さ」とかと使ったりもする。


そして、僕自身も親しい同世代以下の
人間に、知らず知らず「お前、お前」と
言っていたのだけれど、数ヶ月前に、
とても親しくしている若いコと話をしている時に
「僕、人からお前と言われるのが
とても嫌なんです」そういう話を耳にした。

僕は子供の頃から父親や先生や先輩、
もしくは同世代の友人から
お前と言われて、まったく
そのような気持ちになったことがなかった。

確かに、たまに女性が旦那に対して
「何故、お前呼ばわりされなきゃならないのか、
まったくわからない」という言葉を聞いたことがある。

僕にとって、「お前」というのは
ひとつの親しみを込めた言葉使いのつもりだったし、
特に上に立っている、とか
見下ろしてバカにしている、
ということではない。
僕も人からお前、と言われた時には
親しく思ってくれているのだ、なんて思ったものだ。


ただ、「嫌だ」と言われていることを
そんなつもりじゃないから、俺は使うぞ、
と思うほど、僕もバカではない。

けれど、長年のクセなのか、ついつい出てしまう。

そう言っている彼と前に話した時に、
彼が丁寧に話しているつもりで
「なるほどですね」という言葉を
使っていることをよく耳にした。
僕が彼に「それは丁寧なようで、そうではないんだ」
という話をしたら、
彼の口から、その言葉が出ることはほとんどなくなった。

学べないのは、年齢の違いなのか、
それとも意識が低いのか、はたまた僕が愚かなのか。

話を戻すと、それまでまったく気にもならなかった
そのラジオ・パーソナリティの「お前」が
それなりに気になるようになっている自分にも驚いた。

だったら、治せよ、なんだけど。

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2021年05月14日

半年に一度、DVD、ブルーレイの整理

昨日は丸一日かかって、家になる
DVD、ブルーレイの整理をした。

市販のモノは、パッと背表紙を見れば
わかるのだけど、自分で録画した
レコーダーのハードディスクにあるモノを
どんどん焼いて、盤の上にタイトルを書いて
トールケースに積み上げてある。

これを半年なり1年放置していくと
大変なことになってしまう。

洋画、邦画、演劇、スポーツ、
オペラ、歌舞伎、テレビドラマ、
ドキュメンタリー、洋楽ライブ、邦楽ライブ・・・
これ以外にも、歴代のアカデミー賞授賞式や
グラミー賞、トニー賞、過去の紅白歌合戦やら
レコード大賞やら、などなど。
それぞれをジャンルに分けて、
ファイルブックに納めるのだが
これがもう何十冊もある。

見返すと、ひと昔前観ようと思っていた
ドラマや、見逃していた数年前のテニスの試合、
もうすっかり興味がなくなったバンドのライブなど
おそらくこの先、観ないだろうモノを
捨てていき、その空いたところに
新しいモノを入れていく。

もちろん、古いモノを捨てても、
収まりきらないので、新しいファイルブックを
買い足して、納める。

それをあまり邪魔にならないように
クローゼットや本棚に並べる。
しかし、市販のモノや本などに比べるのとは
違うから、どう見栄えよく並べるかを
考えたりしているとどんどん時間も経ってしまう。

もちろん、その半分くらいは
一生観ることが出来ないのかも知れない。
いつも、こういう作業をしている時に、
1本でも多く観られるのになあ、
なんて考えたりもすると、
愚かなことをしているとつくづく思う。

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2021年05月13日

義理の妹からの電話

昨日、古くからの友人のヒサムネから
「ちょっと怖いことがあったんだけど、
電話していいかな」そうLINEが来た。

何、何???と尋ねると、
早速かかってきたヒサムネの声は
3、4年ぶりとは思えないほど
まったく変わらず、とりあえずは
元気そうでホッとした。

「それが、俺の死んだ弟の話なんだけど」
と切り出した。

そう、ヒサムネの弟さんは5、6年前に
まだ40歳という若さで奥さんと子供を残して
亡くなったことは聞いていた。


ついこの前、奥さんから連絡があって、
「突然、弟の友人というのが、
線香を上げさせてもらいたい」と
家にやって来たのだそうだ。

「同じ会社の方ですか?」と聞くと
「いえ、違います。」と言ったっきり、
詳細を話さない。

「それが、こんな事言うのもなんだけど、
ヒサさん(ヒサムネのこと)みたいな
雰囲気の人なの」そう義理の妹は言う。

え?どういう意味かときちんと聞くと、
その彼がゲイなのじゃないか、と。

そう。死んだ弟にも、その奥さんである彼女にも
ヒサムネはカミングアウトしていた。
でも、何故、彼がゲイだと思ったのだろう。


もう5年以上も経っているのに、
突然やってきて、仏壇の前に手を合わせながら、
泣きじゃくり、それで弟の話は何もせずに
帰って行ったのだということだったのだ。

「せっかく来てもらったから、
お茶も出したし、少しは彼の話も
聞きたかったけれど、ただ、ただ
彼の写真を見ながら泣くばかりで」
ということだったらしい。

今さら、亡くなった弟がゲイだったとか、
その彼とどういう関係だったのかを
聞いたところで、彼は戻ってこないことは
よくわかっている。
でも、どうしても気持ち悪い話だったと言う。

ヒサムネは、死んだ弟が
ゲイだと認識したことはないし、
おそらく違うだろう、そう義理の妹に
伝えたのだけれど、なんとも
奇妙でちょっと怖い話だったと話した。

世の中には不思議なことがたくさんある。

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2021年05月12日

ネット社会で生きること

ここ1年くらいだろうか、ジムで
パーソナルを受けているのだけれど、
これがとてもためになっている。

教えてくれているのは、既婚者の30歳で
彼のサポートは非常に的確、かつ親切だ。

彼は特に何も詮索もしないし、
こちらからもわざわざバーを
営業している、とは言ってもいなくて
飲食系くらいとしか伝えていない。

ただ、フルネームで調べれば
僕の場合、すぐにわかってしまう。
下手すると、このブログにさえ
飛んでしまう(笑)


つい最近、仕事でマスコミの試写に行った際、
知り合いのライターが僕からスケジュールを聞いた、
と宣伝部の人に伝えたら、
「あ、飲み屋をやっている方ですね」と
言われたらしい。

僕は別にまったく構わないのだけど、
意外と知れ渡っているのだなと再認識。


そう言えば、ずいぶん前だが、我が家の近くにある
マッサージに初めて行った時に、
40を超えた巨体の男性が
僕の施術をしてくれた。

彼の腕は確かで、今まで受けた
マッサージの中では1、2位を争うほどの
気持ち良さだった。
断っておくけれど、特に性的な意味ではなく、
そういう意味ではタイプでもなんでもなかった。

さて、30分くらい経過して、揉まれながら
色々と話をしていた時に、彼が
「つい最近、来たお客さんの言動に
とっても興味を持って、その人の
仕事をネットで調べたんですよ」
とポツリと言った。

その瞬間に、僕の心地よさは消えた。

彼はたぶん僕が帰ってから、ネットで
僕の情報を調べるのだろう。

上にも書いたように、僕は自分の
氏素性がわかったところでまったく
大丈夫だし、調べるのは勝手だけれど、
それを客に伝える、というのには驚いた。

ゲイでなくとも、自分のことを色々と
調べられたりする、というのは
気持ち悪いし、ほとんどの人が
嫌だと思うだろう。

しかしながら、もうそんな世界に
僕らは生きているのだ、
と認識せざるを得ない今日この頃だ。


今日から改めて、緊急事態宣言の再延長。
今月いっぱいまだまだ店の休みは続く。
6月にみんなに会えることを楽しみに
しっかりと鍛えておかなければ(笑)

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