「セックスをする時に、
頭の中を音が溢れ出てくるんですよ」
ちょっとまだ雨が残り、
夜が始まるまだ17時台の店の中で
40歳のヤマトはそうつぶやいた。
「音?それは音楽という意味?
それともノイズも含めたサウンド的なこと?」
それともノイズも含めたサウンド的なこと?」
と僕が尋ねると
「音楽もあれば、物音もあります。
僕は薬物をやったりしたことはないんですが、
おそらく、ドラッグをやっている人って
こういう感じなんだろうな、
そう思うような『音』の洪水なんです。」
もちろん、その「音」は相手によって
まったく違うらしい。
クラシカルな流れるような音楽のこともあれば、
パンクやメタルのようなガンガンの曲もある。
また、ただ、ただ、ハンマーで
鉄の扉を叩いているような音もあれば、
さめざめと降り続く雨のような音もあるらしい。
ヤマトが学生の頃、たまたま
用を足しに入った川崎駅のトイレで
ちょっとニートなおじさんに誘われた。
汚れた便器がある汚いトイレの中で、
やられるがまま、やられてしまった。
その瞬間からその音は始まったのだと言う。
それにしても「音」。
僕なんて、テレビや音楽が流れているだけで
集中出来ないから、必ず消すタイプだけど、
人に寄っては、隣に声が聞こえるので、と
テレビの音量をあげる人もいた。
そんな話をすると、ヤマトの「音」は
それとは少し違うらしい。
彼の「音」に対する話は、
まるで小説を読んでいるみたいで
何だかこの緊急事態宣言で、
まだ他のお客さんが
来ないこの時間にしか話せない、と言うか、
とても相応しい感じだった。
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