2021年03月12日

噂の「花束みたいな恋をした」

去年から映画館は、ずっと「鬼滅の刃」が
トップを走り抜けていたけれど、
ここに来てそれを抜いた、というのが
邦画「花束みたいな恋をした」だ。


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ヒットしているから傑作、
名作なんてことは別にない、
と普段から思っている僕だが、
脚本が「東京ラブストーリー」「カルテット」の
坂元裕二氏だと聞いて、どんなもんだろうかと
劇場に駆けつけた。


映画は菅田将暉扮する麦という大学生と
有村架純扮する絹という女子大生が
喫茶店で再会するところから始まり、
その5年前、終電に乗り遅れたこの二人の
出会いのシーンに繋がる。

朝までやっているという居酒屋に
駆け込んだ二人は、それぞれが
かなりのサブカルオタクで、
2015年当時流行っていた本、漫画、
音楽、映画などの価値観をぶつけ合い、
大いに盛り上がるのだ。

そこからの5年間。二人が恋に落ち、
共に住み、就職し、別れ、という経緯が
こと細かく描かれていく。

映画に入ってくる山のような数々の
サブカル・タイトルが好きな人には
ドキドキされるだろうし、
それを知らずとも、恋愛をした人なら
誰しも「ある、ある」を納得させられ、
大いに頷けるシーンが流れる。
アドリブもかなりある、と言われる
この流れが実に良い。

また、これを観ると、「恋愛」というのは
ゲイだの、ノンケだの関係なく、
そこに共有出来るコトと、出来ないコト、
価値観と現実感の狭間にあるモノ、
そして相手を許すことと
許せないことなどが
ギュッとつまっている。

二人がそれぞれナレーションを
している、という作りも好感を持ちながら、
それ故、その部分だけ作り過ぎ感が
否めないのは残念だった。

それでも、2020年代の恋愛映画として
深く記憶される1本には違いない、
そう思う。

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2021年03月11日

お薦め(舞台版)映画「キンキーブーツ」

父親が亡くなって、倒産寸前の靴工場の
後継になった青年、チャーリー。
その前に現れたドラァグ・クイーンの
ローラや、彼の周りの女装仲間たちに
よって、新境地を迎える舞台ミュージカル
「キンキーブーツ」が、
先週から映画館で劇場公開された。


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ブロードウェイで噂だった
この「キンキーブーツ」を
観たのが、2013年だから、
もう8年近く前になる。

今や、グラミー賞、
そしてテレビドラマの「ポーズ」などでも
引っ張りだこになったビリー・ポーター主演の
この舞台は、翌年のトニー賞をとり、大ヒットした。
その後、日本でも故三浦春馬氏が主演をし、
評判になったから、観た人も多いかも知れない。

今回、上映されているのは、
ロンドン・ウエストエンド版だ。
とは言え、ブロードウェイ版と比べても、
引けを取らない。


靴工場を任され、自分にまったく自信を持てない
ストレートのチャーリーと
何かと傷ついて生きてきながら、
それをバネとしてプライドを持って生きる
ゲイのローラ。

そして共に、父親から望まれた自慢の息子では
なかった、という共通点を持つ。

ありのままの自分を受け入れることで
他人も受け入れられる。
自分を成長させるために変わることは
世界をも変えることが出来る。

LGBTQの世界では、ありがちなこのメッセージを
キラキラの派手なパフォーマンスや
ベルトコンベアーを使ったダンスで
ポジティブな高揚感に
舞台を観た時と同じテンションで
胸躍らされた。

シンディ・ローパーの音楽もグッド。
ちなみに、これを元にした映画版(ミュージカルではない)も
あるので、これもお薦め。

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2021年03月10日

自営業の悩みと強さ

5年前くらいから、都内でライブハウスを
経営しているシンドウちゃん。
2年目くらいから、お店も軌道に乗り、
なかなか楽しい日を送ってきたけれど、
このコロナでここ1年は
うちの店同様、とても大変だと言う。

しかし、彼にとってさらにストレスなのは、
店を使ってもらう、ミュージシャンだと言う。

こういう時世、誰にでも
心置きなく使ってほしい、
という気持ちもあるけれど、
そこは自分の店。

どうせなら、自分が気にいった
音楽を奏でる人たちに、
という気持ちは強い。
増して、なかなか活躍する場所を持てない
若い人たちに、と考えている。

しかし、そこには、昔からの知り合いやら、
そこそこ名前がある年配者が
様子を観に来ながら、
直接的にも間接的にも
自分を使ってほしいとアピールする。

自営業者はすべてのことを
自分で決めていける、という
強さは持てることは確かだ。

それでも人との関係や、付き合い、
そして相手の気持ちなどを
考えながら、自分の仕事を
成り立たせなければならない。

この、そこそこ高いハードルに
いつも挑んでいて、ある意味、
ノーと言えるシンドウちゃん。
話を聞きながら、僕はほぼ
そういうことに頭を抱えることはないけれど、
それでも自分の意思を貫く彼は
立派だなあ、そう思った。

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2021年03月09日

あの最中での「音」

「セックスをする時に、
頭の中を音が溢れ出てくるんですよ」
ちょっとまだ雨が残り、
夜が始まるまだ17時台の店の中で
40歳のヤマトはそうつぶやいた。

「音?それは音楽という意味?
それともノイズも含めたサウンド的なこと?」
と僕が尋ねると
「音楽もあれば、物音もあります。
僕は薬物をやったりしたことはないんですが、
おそらく、ドラッグをやっている人って
こういう感じなんだろうな、
そう思うような『音』の洪水なんです。」

もちろん、その「音」は相手によって
まったく違うらしい。
クラシカルな流れるような音楽のこともあれば、
パンクやメタルのようなガンガンの曲もある。

また、ただ、ただ、ハンマーで
鉄の扉を叩いているような音もあれば、
さめざめと降り続く雨のような音もあるらしい。

ヤマトが学生の頃、たまたま
用を足しに入った川崎駅のトイレで
ちょっとニートなおじさんに誘われた。
汚れた便器がある汚いトイレの中で、
やられるがまま、やられてしまった。
その瞬間からその音は始まったのだと言う。

それにしても「音」。
僕なんて、テレビや音楽が流れているだけで
集中出来ないから、必ず消すタイプだけど、
人に寄っては、隣に声が聞こえるので、と
テレビの音量をあげる人もいた。
そんな話をすると、ヤマトの「音」は
それとは少し違うらしい。

彼の「音」に対する話は、
まるで小説を読んでいるみたいで
何だかこの緊急事態宣言で、
まだ他のお客さんが
来ないこの時間にしか話せない、と言うか、
とても相応しい感じだった。

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2021年03月08日

店での出会い

一昨日、今年になって初めて
友人と一緒に来てくれた30歳のジョウジと
その隣に座ったたまに来てくれる
40代後半のリョウタロウが
色々な話で盛り上がっていた。

そのうちにリョウタロウが
「可愛いね」と言い、
ジョウジも「かっこいいっすね」と
言葉を発すると、お互いに太腿を触ったりして
一気に熱い感じへと進んでいった。

二人ともお酒を飲む以外は
しっかりとマスクを付けていたのは
少しだけホッとした。

過去、何度となく隣同士のお客さんが
手を触れ合ったりしているのを見ているけれど、
これほどダイレクトに、大勢がいる前で
告白し、ベタベタしているのは珍しい。

ジョウジの友人は「あ〜。もう勝手にやってくれ」と
微笑みながら、ベランダにタバコを吸いに行き、
戻ると、他のお客さんと話したりしている。

結果的に、二人は手をつないで店を出ていった。

それにしても、こういう光景は、
僕が若い頃、2丁目の多くの店で
よく見られたけれど、この出会い系アプリ時代、
なかなかここまで、というのはない。

特にコロナ禍、どんどんこういう出会いも
減っているのかも知れない。

そういう意味でも、早くコロナが収まり、
みんなが自由にくんずほぐれつ(笑)
できる世の中になればいいのだけれど。

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2021年03月07日

とっても不思議、でも魅力的な家族

昨日来てくれたショウゾウ30歳と
トモヒコ 32歳は仲良しの友人同士。

ショウゾウは、1年半ほど前から
ちょこちょこと店に来てくれて
「僕、空気読めなくてすみません」などと
いつも言っている。
さほど気にはならないけれど、
確かに不思議なキャラクターでもある。

変なところで、
おかしななつっこみを入れたり、
いきなり下ネタを言ったりする。

それで怒るお客さんはいないし、
ドン引きするほどでもないので、
特に問題も起きていないので
まったく大丈夫なのだが。


そして、昨日、トモヒコの話を聞いて、
このショウゾウの在り様にほほう、と
思うようなことがあった。

それはトモヒコがショウゾウの実家に
呼ばれた時に、トモヒコのご両親に
とっても驚いたと言うのだ。

70歳前のお父さんと
60歳になるお母さんは共に、
ゲイであるショウゾウも
トモヒコもド〜ンと受け入れていることも
確かにビックリした。

しかし、それに加えて、
食中でも下ネタあり、
普通なら中高生が喜ぶような
ドギツイ話あり、という
度肝を抜くような会話がどんどん飛び交う。

たとえば、トモヒコが
「今日、遠い駅まで必死になって
自転車を漕いで行きました」と発言すると
ショウゾウのお母さんが
「え?大切なアナル、大丈夫?
ちゃ〜んと大事にしなきゃいけないわよ」
と言われると。

それに対して、ショウゾウが
「エロババア、うるさいよ!」と叫ぶ。

こういう部分だけ切り取って話すと
なんと下品でめちゃくちゃな家族か、と
思われるかも知れないけれど、
トモヒコいわく、そこには何とも言えない
愛情が溢れ、家族の絆を強く感じたのだそうだ。

確かにショウゾウ自身、そこにはいなかった
2歳年上のお姉さんも含めて
そんな家族が大好きだと言う。

去年、ショウゾウが少しの間だけ、
一人暮らしをした時に、
そんな家族と離れて、寂しくて泣きながら
友達に長電話をしたことも聞いた。


誰もがひと味もふた味も違う、
色々な人生がそこにある。

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2021年03月06日

俺のどこが好きやねん

2年ほど前から仕事で
関西に行った32歳のアツユキが、
久しぶりに店に来てくれた。

「あちらの生活はどうだい?」
僕が尋ねると、半年ほど前に、
出会い系のアプリで出会った
2歳上の男性とデートをしたと言う。

最初に会った日は、まあまあこんな感じかな
と。ごくごくフレンドリーに接して、
相手に誘われるがまま部屋に行き
セックスもした。

その後、会うたびに、
色々な部分が見えてくる。

仕事とはまったく関係がない法律書を
読むのが趣味だったり、
YouTubeや、彼が録画したテレビ番組のほとんどが
昆虫の生態のモノだったり、
ジムにはお金がもったいないから、と
腕立て伏せや腹筋を、毎日、何百回もしている。

ほぼ、今までの自分とは違う。
それだけではなく、
こんな人には会ったことがなかった。

ひと月くらい経ってから
「ねえ、付き合わない?」と尋ねると
「俺のどこが好きやねん?
なんで付き合いたいと思うねん?」と聞かれた。

「逆に言うと、
俺とは特に付き合いたくない、
ということ?」と尋ねると
「答え方次第かなあ」と言うらしい。

この返事の仕方。
彼でなければ、感じ悪いだとか
面倒臭いと思っただろうと
こういう部分が、すごく好きなのだ、と
アツユキは再確認したようだ。

「答え方次第かなあって言ってしまうところが
大好きなんだと思う。」
一か八かそう答えてみたら
「よっしゃ。付き合おう!」と
あっけらかんとして言ってくれたのだそうだ。

それから半年。
会うたびに新しい発見は
止まらないと言う。

「もっと、もっと知りたい。
もっと自分を成長させてほしい。
そう思える奴なんです。」

アツユキがこれほどキラキラした
表情を見せたのは初めてのような気がして、
嬉しい一夜だった。

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2021年03月05日

何故「愛と喝采の日々」は、ゲイの支持が得られなかったか

学生の頃、観た「愛と喝采の日々」を
昨日、リアルタイム以来、久しぶりに
DVDで観返した。

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当時はそれほど感じなかったけれど、
改めて観ると、この映画、
ゲイが唸らせられる要素が多くある。

でも、あまりゲイ・フェイバリット映画
と言われることはない。
何故だろう。そう思いながら観た。


ストーリーは、かつてバレエダンサーとして
友人でもあり、ライバルだった二人の女性が
何十年も経ち、再会するところから始まる。

一人は結婚し、子供がすでに
トップのバレリーナになろうとしている。
そして、一人はトップに君臨し、
まさに華やかに引退をしようとしている。
そんな二人がこの再会におって、
過去の確執をぶつけ合うという話。

この二人は、いかにもゲイ好みの女優
シャーリー・マクレーンと
アン・バンクロフト。

マクレーンと言えば、
古くは「アパートの鍵貸します」や
「スウィート・チャリティ」で
コケテッシュな女性を演じ、
近年は「ココ・シャネル」
「ダウントン・アビー」で
しっかりと貫禄を見せる大女優。

片や、バンクロフトは、「卒業」での
ミセス・ロビンソンや「奇跡の人」の
サリバン先生、そしてゲイ映画
「トーチソング・トリロジー」の
息子を認めない母親などでも有名だ。

娘を演じるレスリー・ブラウンや
その相手役のミハエル・バリシニコフは
当時、注目を集めたトップ・バレエダンサー。

劇中で、ここまでにバレエの
シーンを見せる映画はあまりない。
特に鍛え抜かれたバリシニコフの
見事な高さを見せる跳躍は、今観ても
拍手を送りたくなるほど。
数年後、来日公演の彼には
完璧にノックアウトされた。

ちなみにバリシニコフは後年、
「セックス・アンド・ザ・シティ」の
主人公キャリーの終盤での彼氏役としても有名。

また、マクレーンの旦那を演じた
トム・スケリット。
髭面の甘いマスクはゲイ好みだが、
この映画の中でも過去、
同性愛者だと噂がたったとされる男を演じる。

その噂を否定する意味で、二人は結婚に
踏み切ったとも言われた設定が興味深い。


そしてクライマックスで見せるのが
女優二人のつかみ合い。
シャンパンをぶっかける、
バッグを投げつけ、殴る、蹴る。

過去、多くの女優同士の争い、ぶつかり合いが
映画で表現されて、そのいくつかは
ゲイが好きな映画やドラマと言われている。
「イブのすべて」「ショーガール」
邦画の「疑惑」などなど上げればきりがない。

ただ、この「愛と喝采の日々」が
他の映画と違うのは、お互いに心から
リスペクトし合い、認め合った上での
ぶつかり合いだ。

マクレーン、バンクロフト、
双方ともに、決して意地悪で
嫌な女、ではないのだ。

そんなこんなで、ゲイが好きなのは
心底、意地悪な女が、これでもかと
剥き出しにする、という部分にあるのかと
僕なりに解釈し、
そのあたりの理由がゲイ好みではなかったのかも。

それにしても、この映画、
1977年のアカデミー賞で10部門に
ノミネートされて何も取れなかった。
おそらく「スター・ウォーズ」が取ると言われ、
ウディ・アレンの「アニー・ホール」に
流れた年だった。

それでも、十分楽しめる一作だと思う。

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2021年03月04日

「愛してる」という言葉

昨日、Netflixで「父、兵士、その息子」という
ドキュメンタリーを観た。

父子家庭で愛する二人の息子がいながら、
アフガン戦争に志願兵として行った若き父親。

結果的に長男も志願兵を志すという
アメリカのナショナリズムの心酔を
複雑な気持ちで観た。

その内容はともあれ、その父親が
息子たちを抱きしめ" I love you"と
何度も言う。

他の映画やドラマにも、こういう光景は
多く出てきて、我々日本人も
よその国の習慣として見慣れてはきている。

でも、いざ自分のこととして
考えるとなんとも気持ち悪い、
と感じる人は多々いるだろう。


以前にも書いたかも知れないが、
僕の亡き父は、クリスチャンだったせいか、
食事をする時に、母親も含めた家族に
毎回「お前たちを愛している」と語った。

子供の頃から、耳にしているせいか
当時、僕はそれが当然だと思っていたけれど、
大人になるにつれ、この日本では
そんなこと、誰も口にしない、
ということもわかった。

とは言え、「愛している」
という言葉はともかく
「好きだよ」「好きです」という言葉も
我々はなかなか伝えない。

おそらく、そんな言葉を使うのは、
せいぜい恋愛の始まりの頃だけ。

言葉で確認するのは小っ恥ずかしい
という人も多いだろうけれど、
そもそも気持ちを言葉にして
伝えるということが不得意、
または必要ない、と思っている
国民なのかも知れない。

いちいち確認しなくても
暗黙の了解だろ、そういう事柄が
ちまたに溢れている気もする。

ただ、その暗黙の了解こそ、
誤解や勘違いを生むこと、
そして伝わっていない、ということを
気がつかなければいけない。

改めて、自分の事として、
日々、反省するところも多々あるなあ。

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2021年03月03日

落とし物の届け先

昨日外出先から地下鉄で帰り、
駅を出て少し歩いた場所で、
赤い定期入れに入った
女性の名前が入ったPASMOを拾った。

地下鉄の改札に行き、落とし主に
連絡してもらうように伝えたら
駅員の人に「どちらで拾われたのですか?」と
尋ねられた。

駅を出て100メートルくらいの場所だと
伝えると、「であれば、管轄が警察になるので
交番に届けていただけますでしょうか」と。

駅の出入り口であれば、
そこで預かるということらしい。

この駅から最寄り交番がかなり遠い
ということと、あまり時間がない、ということを
伝えたのだが、「規則ですので」と一点張りだった。

おそらく落とし主も、
警察経由で探すのことよりも、
地下鉄で定期からその人に連絡するほうが
きっと早いのではないか。
ことが、スムーズにことが流れるというよりも
決まりを重視するのが
いかにも日本だなあ、そう思った。


海外に行くと、こういったことが起こると
尋ねたその人(仮にそれがアルバイトだとしても)の
裁量で、うまく事が進むことは多い。

もちろんラフ過ぎたり、そこにちょっとした
落とし穴がある、ということに対する厳しさがないので
万が一のことがある、という日本の対応も
決してわからなくはない。

それがあるからこそ、治安が良く、
コロナ禍においても、政府や都道府県が
言うことをしっかり聞く、という人々が多いのだろう。

しかし、昨日の件に関しては、もう少し
融通を効かせても、問題は起こらない気がする。

そう思うと、個人個人、独自の判断が
出来る、そういう教育というのは
子供の頃から大切なのだなあ、
そんなふうに感じた。

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2021年03月02日

自分自身を選択する、ということ

昨日は5時半を回ったあたりで、
ほぼノーメイクの女性が来てくれた。

ミドリさんというこの女性、
他のお店からの紹介で、2年ほど前、
僕がいない日に一度覗いてくれたらしい。
このブログもよく目にしてくれているようだ。

彼女は3人の子供を持つ既婚者。
でも、子供の頃から、他の人とは何か違う、
そう感じて生きてきたらしい。
その「何か」が、はっきりとは
わからない。
自分にも他人にも、うまく説明出来ずに
悶々とした感じで
大学を卒業し、就職をした。

一流会社の秘書的なことで始めた仕事だったが、
バッチリとメイクをし、綺麗めなブラウスや
タイトなスカートが
嫌で仕方がなかったのだそうだ。

そんな折り、大学時代に知り合った
2歳年下の男性から
結婚を前提で、付き合ってほしいと言われた。

男性との恋愛はもちろん、
セックスも初めて。
嫌悪感はないものの、
まったく興奮することなく、
ただ、ただ、体を許す、
そんな感じだったのだそうだ。

なおかつ、その彼にドキドキワクワク
したりすることはなく、
それでも結婚に踏み切った。

ここまで読むと、ミドリさんは
レズビアンか、トランスジェンダーか、と
思われる人も多いかも知れない。
しかし、ここ10年ほどでミドリさんが
わかったのは、性的には女性、
恋愛的には男性に心が動くのだ、
ということだったらしい。

結婚後、一人の男性に告白を受け、
かなり気持ちが揺れたこともあったが、
性的な関心の薄さもあって、
先に進むことはなかった。

女性への性的関心を確認するために、
レズビアン風俗に行ったこともある。
ビアンバーで声をかけられたこともあるけれど、
男性の時のように気持ちは盛り上がらない。

それでも、自分の着地点のようなモノが
なんとなく見えてきた、ミドリさんはそう言った。


彼女のような人のタイプが
どのようなカテゴリーに
あてはなるのか僕にはわからない。

でも、話を聞きながら、僕が思ったのは
ゲイであれ、ストレートであれ、女性であれ、
微妙な恋愛観や性的な好みは
まったく違い、そのどれも、誰もが
正解、不正解なんてないのだろうということだった。

人はこうであるべき、
ということに縛られず、
自分が望むように、生きたいように
生きる、世界はそろそろそんな時代に
突入しているのかも知れない。


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2021年03月01日

外出先での思わぬ視線

昨日、ランチを食べに来てくれた
50代のセイヤさん。
店に来てくれる前に、
都内の某駅のところに花屋があり、
そこで花をちょっと見ていた。

ふと気がつくと、何か視線を感じる。
10代かと思われるほど若い女のコが
自分のほうを見つめているような気がする。

うん?と特に見返すこともなく、
花を見ていると、彼女はちょっと
決心したように、こちらに向かって
歩いてきたのだそうだ。

そして、携帯を取り出し
「●●さんですか?」という文字を
打ち出し、セイヤさんに見せたらしい。

いやいや、と首をふると、
少し会釈をして彼女はまた同じ場所に
戻ったそうだけれど、セイヤさんいわく
「僕が『そうだ』と言ったらどんなふうに
なったんだろう」と。

おそらく、出会い系なんかでいわゆる
パパ活をしている若い女のコなのかも知れない。

出会い系などをやっていて、
こういう間違いというのは意外に多いんだろうか。

確かに二十歳にもなっていない女のコなんかも
問題かも知れないけれど、ゲイ同士の待ち合わせで
そこにストレートのそれらしき人に間違って
声をかけてしまったりすると、どうなんだろう。


出会い系ではないけれど、
この話でふと思い出したことがある。
20代の頃、夜、遅くまで酒を飲んで
高円寺の高架下を自分のアパートのほうに
歩いていたら、正面からなかなか
良い男が歩いてきた。

チラっとると、あちらも見る。
おっと思って凝視してみたら
「なんだ、お前、文句あるのか」と
言われたりして、ビビッた、という
恥ずかしい体験があった。

さすがにもうこの年齢になって
そんなバカな勘違いもしないけれど、
みなさん、気をつけましょう(笑)

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