2021年02月15日

不祥事が起こった際に

昨日は結婚式帰りという
タクロウが来てくれた。
そして、その帰り道に大変な光景を
観た、という話をしていた。

結婚式で出た食事が
比較的小ぶりなフレンチで
まったくお腹いっぱいにならなかったので
その式場から比較的近い
中華料理屋に一人で入ることにしたらしい。

その料理屋に、タクロウの直後に、
もうひと組の同じ結婚式帰りの
二人の男女が入って来た。
確か、新婦の友人側に座っていた
30代くらいのカップルか
夫婦のような感じだったと言う。

男性は黒の上下。
女性は真っ白なドレスに
辛子色のスカーフを肩にかけていたらしい。

タクロウは携帯を見ながら、
自分が頼んだ餃子とご飯を
食べようとしている時に、
食器が床で割れる物凄い音と、
「きゃあ!」という女性の声がして
そちらを向くと、
白いドレスの女性に
しっかりとラーメンがぶっかかっていたのだと言う。

それを運んでいた店の中国人らしき女性が
「ごめんなさい。本当に申し訳ありません!」と
頭を下げながら、タオルやおしぼりを
取りに走ったらしい。

ドレスはラーメンのスープで真っ茶色になり、
なおかつ熱い、熱いと女性が泣きそうになる。

相手の男性は「大丈夫か?」と
自分の持っていたハンカチや
従業員にもらったタオルをかける。

お店の奥から料理人でもあり、
店の主人らしき人も出てきて、
さっきの女性と一緒に
何度も頭を下げて
クリーニング代と店に置いてあった
ジャージか何かを渡し、とりあえず
これに着替えてください。

幸い、身体自体にかかったスープは
それほど多くはなく、火傷には
ならなかったらしいが、ドレスは
酷いモノだった。

「あ。着替えは大丈夫です。
スカーフをタオルに巻いて帰るので。」
と彼女は言う。

幾ら入っているか、わからない封筒を
渡され、連れの男性も何度も彼女に
「大丈夫か?」と聞き、
彼女はうなずき「ごめんなさい。
びっくりしたので、大声を出してしまって」と
タクロウのほうにも頭を下げた。

正義感が強いタクロウは
「いや。僕は良いのですが、
ちょっと酷いんじゃないですか?
もっと細かいことを聞いて、
おうちに謝罪に伺うとか、
タクシーを呼ぶとか、病院に行ってもらうとか
お店のほうがもっと迅速に動くべきじゃないですか」
と店の店主に詰め寄ったらしい。

店主は「おっしゃる通りです。すみません。」と
ちょっと動こうとしたのだが
連れの男性が、改めて彼女に
「本当に大丈夫なんだね?」
そう尋ねて、彼女が大きくうなずくのを見て
タクロウに「ありがとうごいます。
彼女が大丈夫だと言っています。
こちらの人がわざとやったことではないし、
こういう事で大騒ぎすることを
彼女も僕も好まないし、
お店なりの誠意を尽くそうとしてもらっているので
大丈夫です。」というふうに言われ、
帰った行ったらしい。

タクロウは、昔似たような件で
訴訟問題にまで発展させた
彼の友人の怒りを思い出してはいた。
思えば、その後、本当に泥試合に
なってしまったと言う。

確かにこのように許す人がいる。
それが正解か、どうかはわからないけれど、
自分が彼女や彼だった時に、
こういう穏やかな対応になれるだろうか、
帰りの道すがら、色々考えたと言う。

問題の事柄には寄るものの、
こういう事態になった時に
自分にとって何が正しい判断か、
僕も考えさせられた話だった。

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posted by みつあき at 17:20| Comment(0) | 人生 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする