今日は友人の結婚式に出た、という
ヤスハルがその帰りに寄ってくれた。
確か、彼が前に結婚式に出た話を聞いた時には
「う〜ん、自分も結婚に憧れる」なんて言っていたのに、
今回はもう少し冷静に見ていたようで
27歳のゲイ、となると、
結婚式に対する気持ちも
少しずつ、変化していくのだなあ、
そんなふうに思った。
そこに来ていたセイジは、お色直しだとか、
キャンドルサービスとか、ケーキカットなど、
そういう仕切りや演出に
ついついうんざりしてしまうと
さらに冷ややか。
もちろん、僕が若い頃のバブル婚に比べると
最近ではしっかりと地味になっているようだけれど。
「でも、親への手紙とかのシーンになると
絶対泣いてしまうんだよね」と言うのは
常連のコウヘイだ。
思えば、僕も何十回、
人の結婚式に出たのだろう。
兄や妹の結婚式はともかく、
職場の上司、同僚、部下、
そしてストレートの友人たち。
形式的なゲイの結婚式も3度ほど。
幸か不幸か、ゲイの偽装結婚や、
友情結婚には参列したことはなかったが。
そう言えば、知り合いで、
ずっと付き合っていた相手に
結婚するから、と別れを告げられ、
その結婚式に出た、というのもいて、
それを聞いた時は、なんとも言えない
虚しさのようなモノも感じた。
同性婚なんて言葉もなかった僕の若い頃は、
「結婚式なんて出ても、自分には
何も戻って来ない。だったら出たくない」
そう思ったモノだ。
40歳を過ぎた頃からは、よほど
親しい間柄でない限り、お祝いはするけれど、
披露宴は遠慮させてもらったりした。
結婚という形や、挙式に対して
それはストレート社会のモノだから、
もしくはそれが同性であっても
まったく興味がない、という意見もさまざまだ。
また10年、20年と経過すると、
その形も考え方も大きく変化しているんだろう。
ヤスハルの話から色々と考えた一夜だった。
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