僕が石岡瑛子、という名前を知ったのは
日本では公開されなかった
"MISHIMA : A Life in Four Chpters"という
映画がアメリカで公開された1985年頃だったので
彼女が一世を風靡したよりも少しあとだったりする。
もちろん、この映画を
ビデオで観ることが出来たのは
最近のことだが、僕の中には
この映画制作のニュースによって
彼女の名前だけが刻印されたワケだ。
(映画"MISHIMA"については、以下のブログ)
もちろん、彼女はそれまでに、
資生堂の前田美波里のポスターや、
PARCOのCMなどを手掛けた
著名なグラフィックアーティストだったが
その広告の存在は知りつつも、
彼女自身のことは何も知らなかった。
今からもう9年前に亡くなった彼女の
初の大回顧展がこのコロナ禍の東京で
行われることを知り、僕が非常に興奮し、
期待したのは言うまでもない。

そして、昨日観たこの展覧会は、期待以上の
非常に素晴らしいモノになっていた。
その展覧会の中で、驚いたのが
角川書店で出していた雑誌「野生時代」の表紙。
そして北山修や、片岡義男、井上光晴などの本の装丁。
また、渡辺貞夫、マイルス・デイヴィスなどの
レコードジャケット。学生時代に読み漁ったり、
聴きまくったモノたち。
これらが僕が彼女の名前を
まったく知らなかった頃の産物だったのだ。
映画"MISHIMA"以降は、
ブロードウェイの舞台で
「M.バタフライ」の美術をやったり、
コッポラの「ドラキュラ」でオスカに輝いたことは
もちろん認知していた。
その後、ターセム・シン監督の「ザ・セル」
「落下の王国」などの衣装などで
そのヴィヴィッド、かつシュールな世界観で
僕はしっかり虜にされてしまった。
この展覧会では、それらの映画の衣装が
ずらりと並び、それを囲むように
壁の大画面に映画のシーンが映されたり、
"MISHIMA"に出てくる金閣寺の再現セットや、
それらを作り出した彼女の多くのメモが
これでもか、と展示されている。
すべての楽曲で衣装を変えたと言う
グレイス・ジョーンズのライブや、
ビョークのミュージッククリップも
見応え十分だ。
他にもオペラ「ニーベルングの指輪」や
シルク・ド・ソレイユ「ヴァレカイ」の
衣装、そして北京五輪の開会式の映像にも
ついつい足が止まってしまう。
それなりにじっくり観て3時間。





この現代美術館はとても好きな場所だが、
途中、お茶を飲む場所が設けられていないのが
辛い。(美術館の外にはある)
閑話休題。
この展覧会の一番最後にある
彼女の高校時代に作った
「えこの一代記」という絵本。
当時、なかなか手に入れにくかっただろう
海外のスクラップなどを集めて
作られたこの一冊は衝撃的だ。
その絵本の中で彼女は
「世界中を旅して、
美味しいモノを食べて、
私の夢が叶いますように!」
そう書いており、それを遥かに超えるほどの
体験をし、実現をした彼女の偉業には
感服せざるを得ない。
昨日のブログではないけれど、
好奇心に溢れ、それをいつまでも追いながら、
決して妥協をしない、
そんな人生でありたい、
苦しいほどの作品群に囲まれたあと、
僕は少し遅いかも知れないけれど、
残りの人生について改めて心に誓った。
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