2019年06月20日

ブロードウェイ・ミュージカル「キング・コング」

NY2日目の観劇は、「キング・コング」。
正直言って、今回の観劇の中で
最も期待していなかった一作。
しかしながら、驚くほどの良い出来だった。

King Kong @ The Broadway Theatre  on 18 June(Tue)  2019

IMG_9314.jpg

もちろん、キング・コングはすぐには
舞台に登場しない。
まずはニューヨーク、主演のアン
(コングが愛するようになる女性)が
ブロードウェイのオーディションを
受けるシーンから始まる。

アンをアフリカ系にしている、
というのもこの舞台の面白さ。
30年代というこの時代に
彼女がスターになることが出来るのか。

ここから彼女が監督に選ばれ、
船を準備し、髑髏島(スカルアイランド)へと
向かうところまでを、、
アクロバティックな群舞と
メリハリのある演技で一気に見せていく。

ニューヨークの街の中から
ブルックリン橋へと舞台背景は
セピア色のLEDスクリーン。
その前を色とりどりの衣装を着た
出演者のダンスの色彩感覚が映える。

舞台を斜面にして、船の甲板を作り、
海の波と月を見せるシークエンスも素敵だ。

そこから舞台はいきなり
ジャングルへと変化する。
グリーンのツタが何本も天井から
ぶら下がり、それに人が絡まりながら、
鬱蒼とした森林の表現も秀逸だ。
原住民がコングに生贄として
アンを捧げようとするところまでの
30分ほどがあっという間。


そして、ジャングルに響き渡る深い唸り声と、
真っ暗な中から突如現れるコングの
登場シーンも、音響、ライティング
そしてLEDによって、
想像以上に興奮させてくれる。

image.jpg

ここからは、多くの映画などでお馴染みの
アンとコンゴの共演シーン。
恐怖とプレッシャーから、
甘美な優しさへと
変化する作り方がとてもきめ細やか。

何が凄いかと言うと、
このあたりから舞台最後まで
コングを操り人形のように
動かすのが10人の黒子たちだ。
ロープにぶら下がり、引っ張り、
正面からうしろに、
右から左へとアクティブに動く。

マニアトロクス、というロボット製作と
このパペットのテクニックの融合こそ
この舞台の一番の見どころ。

天井から降りてくる様、大きく鼻を膨らませ
歯をむき出しにして吠える様、
そして客席に向かって巨体を乗り出させ、
また舞台上手から下手へと
走り回る豪快さ。

黒子のダンスのような動きと
時には激しく、時には穏やかな表情を見せる
コングのクリーチャーがあまりにも素晴らしい。


比べるのは、何だけれど、
コミックを意識して大仕掛で作られた
「スパイダーマン_ザ・ミュージカル」よりも
芸術的かつ統一性がある、という意味では
こちらに軍杯があがる、そう思った。

舞台はコングが麻酔銃で
眠らされる髑髏島で
一幕を終え、二幕は
また舞台をニューヨークへと移す。
スターを夢見るアンが、
無理やりにNYに連れて来られたコングに
「あなたもスターに」と言ってしまうのが
何とも皮肉だ。

華やかな見世物小屋のシーンから
エンパイヤステートビルにアンを
連れたコングが登っていくところまでの
演出も非常にスタイリッシュ。

アンは、どんどんコングの気持ちを
理解していくが、時はすでに遅く、
衝撃的なラストシーンを迎える。

IMG_9311.jpg

確かにストーリーや、
耳に残る音楽という意味では
優れたミュージカル作品と
言えるのかどうかは微妙。

それでも十二分に素晴らしい観劇体験だと
言えるし、ほぼトニー賞からも無視されて
しまったのは残念。

これよりも、さらに美術、照明、音響などを
すべてゲットした"Hadestown"が
どんなモノだったか、また後日
ここに書くことにします。

何だか興奮のあまり、長文になってしまった(笑)


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posted by みつあき at 16:09| Comment(0) | 演劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする