2018年11月16日

映画「母さんがどんなに僕を嫌いでも」

本日から、歌川たいじさん原作の映画、
「母さんがどんなに僕を嫌いでも」が
全国の映画館で上映された。
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早速、初日に
僕も観させてもらうことにした。

歌川たいじさんことウタちゃんは、
僕がBridgeをオープンする前に
世話になったタックス・ノットで
もう20年以上前に知り合ったけれど、
6年ほど前に発売されたこの原作を読むまで、
彼の生い立ちのことは、僕自身
まったく知らなかった。

映画でも描かれているが、
原作に書かれている
歌ちゃんのお母さんから受けたDVや
言葉の暴力は、かなり衝撃的だ。

何故にここまで、と思うほど
お母さんは、歌ちゃんをののしり、
叩き、気持ち悪がり、不快さをぶつける。
「あんたなんか産まなきゃ良かった」
そんな言葉までぶつけられる。

自分の話で恐縮だけれど、
両親の愛情に育まれ、いつも
「お前を愛している」なんて
アメリカ映画みたいな言葉を
かけられ続けた僕にとって、
歌ちゃんの世界は、また違う
テレビドラマや小説の世界のようだった。


映画で、歌ちゃんを演じる俳優の太賀君
(何故か君付け。笑)。
「ほとりの朔子」や「淵に立つ」でも
十分証明済みだったけれど、
彼の存在感が本当に素晴らしい。

基本的には、わかり易すぎるテレビ的演出や、
恥ずかしくなるほどの
お涙頂戴満載の映画が
ちょっと苦手な僕だけど、
太賀君の見事な芝居と
御法川監督の微妙に抑えた演出は
不覚にも何度か涙した。
もちろん美し過ぎる吉田羊の母親も良い。


原作では、母親の激しさだけではなく、
学校での同級生からのいじめ、
庇ってくれない教師、
施設で暴れる少年の逃亡や死亡など
今の時代では考えられないほど酷い部分を
盛り込むことが出来なかったのは
さらにどんどん膨らんでしまうだろうから
これは仕方がなかったと思う。

また、漫画に出てくる主人公がゲイであることを
小説や映画で描かなかったことも
テーマが絞れていて良かった。

いずれにしても、
こういう環境の中で、あの人なつっこく、
大らかで、優しい歌ちゃんが
何故、生まれたのか。

高校も中退し、
工場や工事現場などで働いた彼が
一流企業の営業マンを経て、
売れっ子漫画家になるという事の奇跡。

そこには、友人や最愛のおばあちゃん
(このエピソードも本当に良い)など
人との繋がりが、その奇跡を起こしたのだ
ということを感じる瞬間。

愛情を与えられなかったことからの
憎悪を、倍の愛情にして返す、という歌ちゃんの形。

原作を読み、この映画を観て、
改めて、愛情を注がれた自分の人生、
両親には心から感謝しなければ、
そう思った次第。

素敵な映画をありがとう。

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GAY BAR BRIDGE
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posted by みつあき at 18:03| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする