2018年02月27日

初めての旅、初めての喧嘩

30代のヨウスケとタクオは、
付き合ってまだひと月。
ひと月の記念に、この冬、温泉旅行に、と
東北地方に向かったそうだ。

一歳年上のヨウスケが旅の手配をした。
初めての旅行だから、と
奮発してグリーン車、
そしてかなり良いホテルを
ダブルで予約をした。

前の日は二人で飲みたい、とタクオが
言うので、早くから動きたいヨウスケは
午後の比較的ゆっくりした新幹線だった。

電車の中でタクオが
「男二人でダブルとか大丈夫かなあ」と言うから
「大丈夫だよ。一流ホテルだもん。」
ヨウスケがそう言うと、タクオは
「チェックインする時に、
別々に入ればいいか。」
そんな事言い出す。
「別に悪い事している訳じゃないし、
堂々としていればいいじゃないか」と
タクオが言う。

それなりにオープンでいたいと思うタクオと
結構人目を気にするヨウスケの間で
旅の始まりからちょっとした不均衡が生まれる。

そうこうしているうちに、
どんどん雪が激しくなってきた。
そしてノロノロした運転が続き、
ついには途中駅で止まってしまう。

猛吹雪で線路のポイントが動かなくなったと
アナウンスがあった。
予定では6時には駅に着き、
そこからバスに乗り継ぐのだけれど、
それにはどうしても間に合いそうもない。

途中、ホテルに「遅れる」と電話をするが
どれだけ遅れるか、わからない。

結局、新幹線は1時間近く遅れ、バスには乗れず、
やっと乗ったタクシーも雪で
回り道をすることになったと言う。

結局、7時過ぎに着くはずのホテルには
11時過ぎに。

ひと気もないホテルのフロントで
結局、二人でチェックインすることになり、
タクオは何となく
一人のコンシェルジェが
にやりとした、と思ったようだ。

予約したレストランはクローズ。
雪のせいで、調理人も早く帰り、
ルームサービスもないと言う。

もちろん、近くにコンビニも
あるワケではなく、
ホテルにあった自動販売機で
酒のつまみのようなモノで
夜を過ごすことになる。

タクオさえ、前日に飲みに行こうと
言わなければ、早く出られたのに。
そう思う気持ちと、どうであれ、
無理に叩き起こしてでも、早い新幹線に
乗れば良かったなどと
ヨウスケに言ってしまう。

タクオはタクオで
わざわざダブルベッドを取り、
恥ずかしい思いをさせられたと怒る。

せっかく一緒に過ごしたい一夜が
散々なモノになりそうだった。


そんな中、0時過ぎに
ホテルのコンシェルジュの人から連絡があった。

「この大雪の中、お二人で素敵な時間を
過ごそうと思われたのに、
本当に何も出来なくて申し訳ございません。
フロントの人間で、今、作ったのですが」と
大皿にサンドイッチと、
赤のワインボトル1本を持って来てくれた。

きっと二人はカップルだとわかり、
気を利かせてくれたようだった。

頭を下げたボーイの人にお礼を言い、
彼が部屋を出たあと、タクオは
ヨウスケに抱きつき「ごめんね。
ビクビクした俺が悪かった。」
そう謝った。

ヨウスケも「俺こそ、イライラしてごめん。」
二人はしんしんと降り積もる外の雪を見ながら
ワインをゆっくりとたしなめ、
素敵な夜を迎えたそうだ。

やっとひと月、されどひと月。
きっと、良い始まりになったのだと思う。

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冬から春公開のLGBT映画 その2

この前のブログに続いて、
ゲイ関連映画をあと2本。

来月下旬に公開されるのが
「BPM ビート・バイ・ミニット」というフランス映画。
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舞台は90年代のパリで、HIV感染者の差別を訴えた
ACT UPで抗議活動をしていたという監督自身の
実体験を描いたドラマ。

さすがに事実の映画化だけに、その活動は
リアリティがある。
それだけではなく、エイズを発症した相手と共に
生きることと背中合わせにある抗議活動への疑問も
なるほど、と唸らせてくれる。


最後の1本は、「君の名前で僕を呼んで」
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これは去年、ニューヨークに行った時に
とても評判になっていたゲイ映画。

80年代、イタリアの別荘で
ひと夏を過ごすアメリカ人一家。
両親とも仲が良い17歳の男の子と
その家に呼ばれた博士課程を専攻する
24歳のアメリカ人青年。

前回、ここで書いた「彼の見つめる先に」とは
またひと味違うゲイの切ないラブストーリー。

この時代に於いて、
ゲイへの偏見もなければ、
それによる苦しみということに
焦点が当たっていない
ということが映画を深くしている。


こんな映画のほかにも、
もう終わってしまった特集上映のモノが2本。

1本は、ナショナル・シアター・ライブで
上映された「エンジェルズ・イン・アメリカ
第一部 至福千年紀が近づく」。
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これは1989年にブロードウェイで上演されたゲイの舞台で
その後、日本でも何度も上演され、
TVドラマではA.パチーノやM.ストリープが出演。
でも、僕は今回のこの上演が最もグッと来た。
「スパイダーマン」をやったA.ガーフィールド、
カミングアウトしているN.レイン、
そしてゲイTVドラマで火がついたR.トヴェイなど
それぞれの役者の白熱の演技が見ものだった。
第二部の「ペレストロイカ」は来月公開予定で、これも楽しみ。

あと、ノーザンライツ・フィルム・フェスティバルという
北欧映画でたった3日間だけ上映された
「トム・オブ・フィンランド」。
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これは、同名の有名なゲイの画家を描いた
フィンランド映画で、日本公開は無理だろうなあと
思っていたら、まさかのこういう形での公開となった。

1940年代、同性愛という認識などまったくなかった時代、
フィンランドで過激な絵を描き続け、
その後、アメリカ、そして世界中で火がついた
彼の人生をドラマ化したモノ。

数年前にLGBTの映画祭、Reinbow Reelと、
数回の映画祭でしか公開されなかった
「湖の見知らぬ男」と同じように、
この映画も未公開、DVD化もされないとすると
本当に残念。

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2018年02月23日

冬から春公開のLGBT映画 その1

今年になって、多くのLGBT関連の映画が
公開される予定がたっていて
今日のブログではそれを紹介したい。

現在公開中の「ハーヴェイ・ミルク」は、
リバイバルだが、30年以上経った今でも
決して輝きを失わない一本だ。
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ショーン・ペンが演じた「ミルク」の
原案にもなったゲイとして公言し、
初の公職に就いた男のドキュメンタリー。
アカデミー賞もとったこの映画は、
民主主義とは何か、という問題を
考えさせながらも、マイノリティについても
しっかりと考えることが出来る一本。


これも公開中の「アバウト・レイ 16歳の決断」。
20180119181045-0001.jpg
男性として生きたいと思うトランスジェンダーの
エル・ファニング、
そして動揺を隠せない母親ナオミ・ワッツ、
レズビアンの祖母スーザン・サランドン
と、豪華キャストの共演は見もの。


この映画と同様に、今週から公開される
トランスジェンダーを主人公にした映画
「ナチュラル・ウーマン」。
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最愛の恋人を失い、そこから
様々な差別と闘うというドラマで
今年のアカデミー外国語映画賞にも
ノミネートされている
これまた力強い一本。
実生活でも歌を歌いながら生活している
という彼女の存在感がグッとくる。


来月は、もう一本。
ブラジル映画の「彼の見つめる先に」。
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盲目の高校生と転校生の淡い初恋を描いた傑作。
これは、まだ恋愛をしたことがない、
というデリケートな時代と
思春期特有のセンシティヴな心模様が
丁寧に描かれている。
サンパウロという土地、
そして障害者でありゲイであることを気がつく少年。
彼を受け入れていく同級生。
切なくも、素敵な青春映画に仕上がっている。


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2018年02月21日

小学校時代の先生のことば

22歳のハヤトは、うちに初めて来たのが去年。

その頃は、将来どうしていいかわからない、
相手なんか出来るんだろうか、
などと色々ブツブツと言っていたけれど、
ここのところ、ちょっと変わった。

突然のように前向きになった。
「何かあった?」と聞くと、
実は、バッタリと小学生の時の担任の先生と
街中で会ったのだそうだ。

小学生!?と聞くといつの話だ、と僕なんかは
思うのだけれど、彼からしてみれば、
ほんの10 年前。
もう、うちの店がオープンしていたから
驚くどころか、笑ってしまう。

「おお、久しぶりだな。
お茶でも飲むか」
先生はそう言ってくれたらしい。

ここまで読むと、うちの店の中では
なかなかよくある話で、
その先生がゲイ、という話では今回はなかった。

実はこの先生、ハヤトが小学校の頃は30代半ば、
もう結婚していて子供も生まれていた。
その当時、授業の中で
「世の中には、男が男を好き、女が女が好き
という人たちがいる。
これは決して異常なことではなくて、ただ、ただ
人数が少ないっていうことで差別をされている。
君たちの中にも言えないけれど、
こういう人もいるかも知れないけれど、
恥ずかしいことなんかじゃないからな。」

そんなふうによく話をしていた。
ハヤトは、自覚しながらも、
もちろんそんな事は誰にも言えず、言わずに
小学校、中学校時代を過ごしていたのだそうだ。

そんな先生に、今回会って、今さらながら
「実は」と話したらしい。

先生は、カフェで、ハヤトの話を
「そか、そか」と笑って聞いてくれていたと言う。

「先生、当時、僕のこと、ゲイだと思ってました?」
と聞くと、
「う〜ん、誰がゲイとか、ストレートとか
あまり考えたことなかった。
女性的だから絶対ゲイっていうワケでもないしな。」
と笑っていたと言う。

「ひとつだけ言えるのは、先生はゲイじゃないけど、
中学校の時に、ちょっとだけそんな冒険もした。
すっごく気持ち良かったけれど、
やっぱり、先生は女の人のほうが良かったんだ。
でも、その友達はきっとゲイだったんだと思う。
彼と会ってから、ずっとそのことを考えてたんだ。」
そんなふうに話してくれたのだそうだ。

とても素敵な話だった。
日本中の学校の先生、それがゲイであれ、
ストレートであれ、こういう話を
フランクにホームルームなんかで
話してくれると、少しでも世の中が変わるのかも知れない。

ゲイバーのマスターなんかやっていて、
今さら、教員などになれないことを
ハヤトの話を聞きながら
ちょっとだけ悔しい思いをした。

まあ、ゲイの話以外、教えることなんて
ほとんどできないから、仕方ないのだけれど(笑)

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2018年02月18日

ピョンチャン フィギュア鑑賞

昨日、一昨日、店では昼間に行われた
ピョンチャンの男子フィギュアをみんなで繰り返し観た。

そして、思った通り、今日の朝から昼間にかけての番組は
(日曜日でワイドショーがなかったにもかかわらず)
金メダル、銀メダル、ワンツーをとった
羽生君と宇田君の話題やインタビューに終始していた。

大きな怪我をした直後で再起を危ぶまれていた
羽生が、本当に素晴らしい演技を見せてくれたのには
魅了されて、店内で再放送にもかかわらず、
いちいち拍手が起こった。
優れた若いスポーツ選手たちのエネルギーと、
精神的強さは、実に色々なことを教えてくれ、
賞賛に値する、そう思う。

銀メダルをとった宇田のインタビューを見て、
かなり天然なところがたくさん見えてきて笑ってしまうが、
その余裕のようなモノが、彼の精神を
支えているのだろう、そう思う。


個人的に少し残念だと思うのは、
いつも日本人選手(特に男子)の、キラキラヒラヒラとした
いかにも日本人女性受けをするような
いわゆる宝塚風「王子様的衣装」だ。

それでなくとも、他国の選手に比べて、
羽生の動きは特に女性的で
(それはゲイ、ゲイじゃないに限らず、別に
良いことなのだろうけれど)、
あの衣装はそれをさらにそう思わせてしまう。

フェルナンデスや、パトリック・チャンのような
シンプル、かつワイルドな衣装で勝負してほしい
なんて思うのは、僕がゲイだからだろうか・・・。

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2018年02月17日

19歳の決意

一昨日は、カミングアウトしている議員をやっている
ワタセ君が、19歳の大学生のアイダ君を
連れて来てくれた。

法学部、そして議員を目指しているというアイダ君は
ヒゲも濃く、ずっとパワーリフティングを
やっていたというガッチリとした体格で
とても19歳には見えない。

ジンジャエールを飲みながら、
じっくりとワタセ君の話を聞き入るその姿は
実直そのもの。

何故、議員になろうと思ったのかと尋ねると
彼は宮城県にいて、12歳の時に震災に合い、
その時に多くのことを感じたのだそうだ。


家や家族のみならず、持ち金をすべて
失った人は報道で知らされる以上に多かった、
その傍ら、お金を持っている人たちは、
復興バブルでどんどん儲けているという事実もわかった。

そういうことから、格差や差別ということに
興味を持ち、部活をやりながらも、
しっかりと勉強したのだそうだ。

周りの同世代には「もっと遊べ」だとか
「堅すぎる」と言われると言う。
ただ、生まれて来たからには、
何か役に立ちたい、
彼にそう強く思わせるものがあるようだ。

この年齢になり、ほぼ自分のことを中心に
考えてしまいがちな自分を
自分の息子世代よりもさらに若い彼から
学ばされた時間だった。

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2018年02月16日

制服について

小学校がアルマーニの制服を標準服として
使うというニュースが席巻している。

僕は小学校時代、母親の好みで、
冬でも皮の短パンにハイソックス、という出で立ちで
そのお坊ちゃん風な装いを周りにからかわれたりした。

とは言え、高校になると、
学校の制服のチェックは物凄く厳しく、
学ランの襟は絶対閉めないと怒鳴られたし、
ズボンの丈やふくらみ(女子はスカート丈)など
細かく指示された。

制服のみならず、髪の毛も絶対耳にかからないように、
パーマや染めるなんて、もってのほか。
(時代が時代っていうこともあったけれど)
ただ、他校の学生たちは、
長髪にだったり、スリムなパンツだったり
当時は少ないものの、私服だったりしたのだ。

基本的に、みんなが一律でなければ、という
日本の文化や考え方が、
この制服、ということに表れされている気がする。

個性をなくさせていることも含めて、
僕個人としては、制服なんて
なくなってしまったほうがいい、
そう思う。

もちろん、元々茶っぽかったり、
癖がある髪質を、黒髪ストレートヘアに
揃えるなんて、もってのほかだ。


そんな話をしていたら、店にいたジョウジは
「僕の制服はブレザーだったけど、
学ランに萌えるので、なくさないで欲しい。
むしろ、全部学ランにしてほしい」と言うし、
タクマは「それこそ、私服に極力近いカジュアルなモノにし、
なおかつ、どういうふうにアレンジをしてもいい、
というふうにしたら、学校生活は楽しくなるはず」
などと言う。

なるほど。
制服問題、
平成も終わり、どういうふうに落ち着いていくんだろうか。

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2018年02月12日

B面で恋をして

一昨日の饗宴も含めて、連休中は
面白いお客さんが続々と来ていただいたが、
昨日の深夜1時過ぎには、驚くほどデカい
美しい女装の青年(?)が
「一人でも大丈夫ですか?」と来てくれた。

彼は、近くのカフェで
二丁目瓦版というコミュニティペーパーを見て、
「ここだ」と思って、来てくれたみたいだった。

思えば、お客さんに連れられて
有名観光バーの女装ママが来てくれたり、
ドラッグクイーンの人たちがみんなで
来てくれたりしたことはあったけれど、
ピンで完璧に女装をしている人が、
こういう風に来てくれたのは初めて。

彼はトランスジェンダーでも、
ニューハーフでもなく、
いわゆるゲイで、趣味女装。
もちろん、ドラッグクイーンのようには
なりたいけれど、そこまでの芸達者ではない
と言っていた。

しかしながら、自分の顔が頭に乗ったようなウィグと
真っ赤なハイヒールを含めると
2メートル10センチという身長には
十分、インパクトがある。

それもキラキラとした真っ白なスーツに
取り付け型のGカップとも思えるバスト。

生粋のゲイだし、ある意味
ゲイの男にしか燃えないが
近寄ってくるのはストレート男性ばかりだと言う。

だからなのか、ゲイとしての活動はほとんどなく、
2丁目近くの炉端焼き屋に一人で趣き、
ノンケ男性や女子にいじられて帰る。
その一瞬は楽しいけれど、
自宅で化粧を落とす時には虚しい。

やっぱりノンケ男性ではなく、
ゲイ男性にちゃんと抱かれたい。
でも、その時にはやっぱり女装をしていないと
自分には火が付かない、というのが
なかなかの難点だそうだ。

彼から言わせると、女装をしていない自分
(のことを、B面と言っていたが)は
本来の自分の姿、
と言うトランスジェンダーではなくて
性的な部分での女装癖というのが
とても興味深かった。


そんな彼が、うちのトイレに貼ってある
「六尺デイ」のポスターに著しく反応。

「六尺姿のゲイに囲まれるなんて、理想かも」と言う。
「でも、うちはお客さんの要望もあり、
六尺デイは、女性や女装の人は
去年から遠慮してもらうようになったんだよ」
と僕が言うと
「んじゃ、その時、生まれて初めて
B面で来ようかな」と言う。


さあ、女装じゃないと火が付かない彼が
B面姿で、相手を見つけ、
ゲイ男子として燃え上がることが出来るか。

とは言っても、彼にとっては
やっぱり敷居が高そうだ、そう言っていた。

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2018年02月11日

連休初日、深夜の饗宴

昨夜、深夜0時を回った頃に
旅行関連の仕事をしているジョウジが
ブラジルからのガチムチ野郎を連れて来てくれた。

先日、僕がリオに行ったと言うと、
リオに住んでいる彼は、ブラジルはどう?
楽しかったか?などと聞きながら、
日本の素晴らしさなどを語ってくれた。


そういう中で、どんな流れだったかわからないけれど、
スタッフのヒデキとそのブラジリアン君が
いつものワニワニ・パニックをしようということになり、
お互いに勝負をかけながら
どんどん脱いでいくことに。

酔っ払ったブラジリアン君は
ノリノリだったので見ているほうも楽しかったが、
1ラウンド終わった頃に、
広島から来た友人二人を連れてきた4人組、
それに最近よく来てくれる27歳のマッチョヨウスケ、
そして、他店で六尺で楽しんできたという
エロ好きなコウスケがそれぞれに入店してきてくれた。

そこからなんと、総勢8人で勝負が始まった。

ワニの歯を一人押すたびに嬌声があがる。
最初はシャツを脱いでTシャツになるのも
エエ〜ッなどと言いながらも、
結果的にはどんどん脱いでいく。

面白いことに、ほぼ全員が少なくとも
上半身は裸になり、結果的にいつものように
ヒデキともう一人がパンツで前を隠すほどに・・・。
結局、3時過ぎまでゲームは続いた。

20代、30代、40代、50代が年齢差や国籍を越えて
連休初日の深夜に楽しんでいる姿は
なかなかチャーミングだった。

少なくとも、ブラジリアン君は
とてもご機嫌だった。

「落ち着いたシックなお店に」と
入って来られたお客さんはたまたまいなかったけれど、
こういう場面に出くわすと、
たじろいでしまうお客さんもいるかも知れない。

まあ、こういう面もあることは
うちの店の面白いところだと思っている。

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2018年02月10日

愛しの禿げ頭

たまに来てくれるゴウタが
ゲイと噂がある、とある有名人作家の写真を見て
「こういうタイプというのは、ど真ん中」と言っていた。

確かに、誰が見ても良い男だ。
「面食いの人なら、ほとんど
良しとする顔だよな」と僕が言うと
「いや。僕が彼を良いと思うのは、
顔ではなく、この頭なんだよなあ。」そう言う。

まだそれほど年齢がいっていないけれど、
額はうっすらと禿げ上がっており、
全体的に短く刈られている。

こういうタイプの人は、
ほぼ自分の頭の薄さを
恥ずかしいと思い、そこに触れられると
嫌がるけれど、そこが魅力だ。

ゴウタはそう言う。

しかし、一言加えると
「禿げていても、バカは嫌」なのだそうだ。
読書好き、勉強好きのゴウタは、
かなりのインテリ好み。


そんなゴウタが、もう10年ほど前に
ネットで出会った男がまさにそうだった。

彼と会い、二度目に部屋に連れて行かれ、
そういう関係になった時は、
まだ「頭の禿げかたがいいなあ」と
思う程度だった。

相手は自分について、何も言わない。
もちろん、仕事に関してもわからない。
自分も触れないようにはしていたが
そういう意味ではとても謎がある男だったと言う。


しかし、ある時、東
京から電車で1時間ほど離れた
ある都市に、仕事で行った時に、
駅前で彼の姿を見たと言う。

なんと、彼は自費出版の詩集を
売っていたのだそうだ。

もちろん、リッチだとは言えない部屋に住み、
素朴と言えば素朴だったけれど、
それを超えるこんな部分があったとは。

自分のことを語らず、
ただ、ただセックスが楽しい程度の相手だった彼が
急に輝いた瞬間だった。

もちろん、ゴウタはそのことには一切触れず、
彼との逢瀬を楽しんだ。
不思議なモノで、ゴウタの頭の中には
地方の小さな街で刺繍を売っているこの男が
俺と一緒にベッドで抱き合っている、
そう考えただけで、
それまで寝たどんな男よりも
エロく、自分を狂わせてくれた。

きっと、自分の態度が突然変わったことに
彼も驚いたのかも知れない。

残念ながら、その関係は
それほど長くは続かなかったらしいが、
ゴウタにとって、忘れられない思い出だそうだ。

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2018年02月09日

出会ったその日から同棲

お客さんでアメリカ人のジムは、
25年来の僕の友人だ。
そもそも、僕がニューヨークに行きだした頃、
当時の友人が紹介してくれ、
その後、舞台好きのジムと僕は
二人でNYやロンドンに行ったこともある。

旅行先で病気になったりしたことはなかった僕だが
この時、一度だけ酷い風邪をひいて寝込み、
ロンドンで観るはずだった
「スターライト・エクスプレス」を
泣く泣く断念したことはよく覚えている。

とは言え、帰国後、僕が忙しかったりしたり、
ジムに新しいボーイフレンドが出来たりして
何となく会わなくなってしまった。
特に二人の間にそういう関係が
あったというワケではなったけれど、
ゲイの友人同士では、よくある話だ。


しかし、数年前に、ひょんなことから
ジムが友人に連れられて来てくれた。
そして彼は、またよく顔を覗かせてくれ、
共に舞台の話などが出来るようになった。



さて、そんなジムが去年の年末あたりに
彼の恋人のヨリヒサ君を連れて来てくれた。

僕とジムが会っていなかった長い間に
二人は知り合い、もう16年もの付き合いとなるようだ。

そしてここひと月くらいの間に、
ヨリヒサ君も一人でぶらりと来てくれる。

昨夜来てくれた彼に、二人の馴れ初めを聞いたら、
友人のパーティだったとかで、
当時、男性経験もなかったヨリヒサ君は
まさかのアメリカ人のジムとが
ほぼ初体験だったのだと言う。

そして驚くことに、
彼は会ったその日から
ジムのうちに行き、
共に暮らしだしたのだそうだ。
もちろん、当時暮らしていた自分の部屋は
その後、荷物を取りに帰るくらいで
結局、1年くらいの家賃を
無駄にしたことになると言う。

それにしても、多くのカップルを
店で見て来たけれど、会った当日から
一緒に暮らし出したと聞いたのは初めてだ。

これからも末長く、
素敵なカップルでいてほしい。

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2018年02月08日

ケンのこと

もう6年も前になるだろうか。
結構、前から店に来てくれていた
台湾生まれだったケンは
うちの店のスタッフと仲良くなり、
周年パーティでダンスをしてくれた。

それは2年も続き、
それまでこの周年のダンスがきっかけで
店のスタッフになってくれた人も多かったので
ケンにも声をかけたところ、
まだ学生だったケンは、
勉強が忙しく、また機会があったら、
そう答えてくれていた。

その後、彼は就職。
仕事に追われ、なかなか大変な時期があったようだ。
そこから少しずつ、昇進もしながら
仕事も少し落ち着いてきた最近、
もし良ければ、手伝いましょうかと
声をかけてくれた。


ケンは、今まで入ってくれた
レオンやラファエルなどと共に
外国生まれというだけでなく、
共通して言えるのは、
とても家族思いであるということだ。

若くしてお母さんを亡くし、
お父さんや兄弟をいかに大事にしているか、
そんな話をよく聞かせてくれた。


一度、うちのお客さんでもあり
彼の友人がしばらく連絡を取れなくなったことがあった。
その時のケンの心配の仕方や、
彼への思いを耳にした時に、
本当に優しい人なんだと思ったことを
よく覚えている。

ケンの入店は明日から。
また、新たなスタッフが入ってくれることは
本当に嬉しく、頼もしく思う日々だ。

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2018年02月06日

おならの話

この前のブログで、30年前に知り合った
アキオの話を書いたが、彼が来てくれた土曜日、
そこには常連のヤスヒサとジュンジがいた。

ヤスヒサがよく友人たちと旅行をする、
という話から、でも同じ部屋には絶対泊まらないと言う。
何故かと尋ねると、トイレに入っているすぐそばに
他人がいるのが物凄く恥ずかしくて嫌らしい。

だから、おならも、好きな人だからと言って
その人の前でしてしまう、なんて信じられない、そう言う。
それは隣にいたジュンジも同様のようだ。

それを聞いていたアキオは、
先日書いたように、16年、付き合って
一緒に暮らしている彼がいるけれど、
おならなんて当たり前だし、
下手すると、トイレに座っている時に
ふざけて入って来たりすると言う。

ヤスヒサも、ジュンジも人と
一緒に暮らしたりしたことはないけれど、
絶対にあり得ない。
だから人となんて、一緒に住めない!と言うヤスヒサ。


さすがにトイレの中にまで入ってくる、
と言うのはともかく、
おならは我慢しても、音をたてて
出てしまうことはある。

これが不思議で店や外出先では我慢できても、
何故か、自分のうちになると
リラックスしていると
そういうことは普通だったりする。


と言うか、気を許しているから聞かれてもいい、
なんて思ってしまうのかも知れない。

もちろん、だからと言って
ちょっとだけこっ恥ずかしいということもあり
「ごめん、ごめん」なんておどけてみせたりはするけれど。


そのあたりの感覚の違いというのは
とても面白い、そう思った。

これを読まれている人で同棲している人、
おならを聞かれることはありますか?笑

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2018年02月04日

30年前の出来事

昨日の昼間、一通のメールが飛び込んできた。
「みつあきさん、元気でやってますか?」

30年ほど前に、当時の僕の友人ハヤトの
ボーフレンドだったアキオだった。
当時、アキオは二十歳の学生。
僕は30歳になったばかりの頃だった。


ハヤトは当時、もう40になろうとしていて、
18歳ほど違うアキオとハヤトが付き合いだして、
半年後くらいに、ハヤトは
HIV感染者であることがわかった。

まだHIVという言葉も一般的ではなく
「エイズ=ゲイの病気」「エイズ=死」
という時代だった。

僕にとっても、初めての身近にいる
HIV感染者であり、最初聞いた時は本当に
世界が真っ暗になってしまったことは
今でも忘れられない。

それから1年半。
アキオはハヤトをずっと見守った。

何故か理由は忘れたが、
深夜にトラックの荷台で病院に
一緒に向かったこともあれば、
ハヤトが何かと頼りにしていた
彼のいとこのエツコさんという女性とは
よくみんなで食事もした。

保険制度が今ほど確率しておらず、
どれほどお金がかかるかも知れない、
ということで我が家に数ヶ月ハヤトが
住んでいたこともあった。

ただ、時代が時代だっただけに、
発覚1年半後くらいで
ハヤトは亡くなってしまった。

治療薬もAZTくらいしかなく、
今よりもずっと大変な時代だった。

葬儀は簡素に、お別れ会は、
彼が営業していた美容院で行なった。
そしてそれを最後に、僕もアキオと
連絡を取らなくなってしまっていた。


そういうさなか、僕が偶然アキオの名前を
Facebookで見つけたのが、今から8年ほど前。

すぐに店に来てくれて、20年ぶりくらいに会った時には
もうアキオは40も過ぎていたが、
二十歳の頃の彼とそれほど変わっていなかった。
ただ、その時は店が忙しかったこともあり、
ものの30分ほどしか話すことが出来なかった。

それから8年あまり。

昨夜、11時過ぎに来てくれたアキオは
朝まで店で飲み、お客さんたちと語らい、
僕とも懐かしい話をたくさんした。

30年の間に、彼は欧米諸国や中国、台湾などを
行き来し、あらゆる場所で暮らし、
そして今のパートナーとは16年になるのだそうだ。

ただ、アキオにとって、ハヤトは紛れもなく、
初めて付き合った、と言える人だった。
僕も年長者のハヤトにはいつも怒られていたが、
身内以外でおそらく初めて
無くした友人でもあった。

改めて、ハヤトのことも思い出しながら、
良い土曜日の夜を過ごさせてもらった。

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幸せのオーラ その2

この前に書いたカップルとは違って、
もうひと組。
40を過ぎたばかりのエイイチと
30になったばかりのショウゾウは
まだ付き合いだしたばかりのカップル。

エイイチは、うちの店に来て10年近くになり、
ショウゾウはここ半年よく来てくれており、
今年の初めに店で遭遇し、
知らない間に急接近。
そして晴れて「付き合いだしました」と
伝えられた。

ここ5、6年の間に恋多きエエイチは、
何人かの人と付き合い、
「やっぱり今回もダメでした」と
落ち込んでいると言うよりは、
常にすっきりと次に進む感じだった。

もちろん、まだ出会って
ひと月経つか経たないかだし、
そういうカップルのことを
このブログに書くことも少ないのだが、
今回は何故か特別。

何故かと言うと、
エイイチがいつになく真剣で
(いや、今までも十分真剣だったのだろうけれど)、
僕に切々と彼に対する思いを伝えてくれたからだった。

直近で二人で来てくれた時には
くだらないことで
言い争いをしていたりもした。

その後、エイイチは自分に問題があるのだ、
こういう部分はきちんと直していかないと、
そう言って反省をしていた。

ある意味、プライドも高く、
なかなか自分を曲げられないエイイチが
こういうことを言うのは、
本当に珍しくて驚いた。

それほど、若くしてショウゾウは優しく寛大で
エイイチの心の扉をひとつ、ひとつ
開けてくれると言うのだ。

この前のブログに書いた二人とは、
付き合った時間も
性格も違い過ぎるけれど、
きっとこの二人は頑張りながら
長く続くのかもしれない。

大きなお世話だけれど、
久しぶりにエイイチの笑顔が
とても嬉しかった。

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2018年02月03日

幸せなオーラ

僕の親しい友人であり、以前はニューヨークや
ロンドンに何度も一緒に行ったタダシが
パートナーのカツ君と知り合ったのは、
もう5年半前になると言う。

タダシが店に来始めた頃は、
今はもう亡くなってしまった元彼と
一緒だったりしていたことを思うと
時の流れの早さにつくづく驚いてしまう。

タダシとカツ君は、
タダシが九州出張の時に、
出会い系サイトで知り合い、
最初はそんな付き合いになるとは
思っていなかった、そう言う。

でも、そのうちにタダシは、
時にはひと月に一度か二度、
せっせとカツ君がいる九州地方へ向かい、
すっかり遠距離恋愛となった。
三ヶ月に一度くらいは、カツ君が上京し、
仲が良いね、とみんなに言われていた。

それから数年後、カツ君は晴れて東京に来て、
タダシと共に住むようになった。
そして、東京で職に就いた。

つい先週、タダシは仕事でコスタリカに行き、
それほど長くカツ君が留守宅を守ったのは
付き合ってから初めてだったようだ。

一週間後、タダシが帰国してから
二人が来てくれた。
空港に着いたあとまだ数時間というタダシだったが、
うちの店で二人は、再会を愛おしんでいるようだった。
その時、一緒にいたのがタダシの友人のシンだ。

シンいわく、僕に「二人はある部分を超えたんだなと思う」
そう言う。
二人はいつも一緒にいると、身体の一部を
触れ合っている。
ただ、シンが言うのは、そういうことではなく、
家族、または夫婦の域に達したんだなあ
この二人は、ということだったらしい。

僕は長らく二人と食事に行ったりしていなくて
店で仲が良いところしか見ていないのだが、
シンに言われると、確かにその通りかもしれない。

5年も超えた二人を見ていて思うのは、
他の長いカップルのように照れ隠しで
相手のことを悪く言ったり、
ぞんざいに扱ったりする、ということがないことだ。

カツ君はいつもタダシを尊敬しているように見えるし、
タダシはそんなカツ君を優しく包み込むように見ている。

30代と40代。
ある意味、理想的なカップルと言える二人には
これからもずっと仲良く、
幸せでいてほしい。

顔を寄せ合って笑う二人を見て、そう思った。

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2018年02月02日

羨ましさと寂しさと

ここ2年くらいの間に、店に来てくれている
26歳のモトヤ。
彼は、自分の中には、大きなテーマが
ふたつあるのだと言う。
それは「羨ましさ」と「寂しさ」ということらしい。

人を羨ましいと思い、
それに追いつきたいという気持ち、
また寂しさを何とか埋めたい、という気持ちが
彼を支えているのかもしれない。

そんな事を言いながらも、僕から見ると
モトヤは優秀な大学を出て、
十分人に羨望を受ける職に就き、
寂しいなどと言うまでもなく、
そのルックスもさることながら、
モテる要素もたっぷりなのだが、
自分ではそういう自分には気がついていないのか、
それとも謙遜しながら言っているのか。


モトヤを見ていて、
さまざまな部分で、歳とった自分と似ている部分も
多々見つけることも出来るが、
こと、この「羨ましさ」「寂しさ」については
少しばかり違ったりする。

今現在の自分の状況に感謝することはあっても、
あまり人を羨ましいとは思うことはなく、
また、元来、寂しがり屋ではあったけれど、
これだけ日々、色々な人に囲まれていると
それも忘れているのかも知れない。

しかし、思えば、モトヤの年齢の頃は
確かに人が羨ましかったり、
ものすごく寂しかったりしていたのかも知れない。

ただ、何よりも大きく違うのは、
やること、欲することが多過ぎる僕にとって、
いつか迫り来る死に対して恐怖をいまだに持つけれど、
モトヤは、今死んでもそれはそれ、とまことに潔い。


いずれにしても、礼儀正しく、
あまりにもまっすぐに
生きているというふうに見える彼。
両親はさほど仲が良くない、というのは驚いたが、
それでも双方ともに、彼に愛情を注いでくれていると言う。

そんなところが、彼の羨ましさと寂しさという感情を
形造っているのかもしれない。

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