2017年10月28日

兄と弟

この前のガタガタだった衆院選から、
ちょっと前に来てくれた地方都市に住む
30代のユキヤ君のことを思い出した。

彼のお兄さんは、その地方の県議員。
それもゴリゴリの保守で、どちらかと言うと
リベラルな考えかたのユキヤ君とは
政治的な見解が違って、20代の頃から
よくぶつかった。

二人の子供と奥さんを愛し、
人望も厚い兄は、とにかく家族を守る、
国を守る、というのが口ぐせ。

好き嫌いもはっきりしていて、
結構、差別的な発言も飛びだし、
そのたびにユキヤ君はくらいついたのだと言う。

近くに住んでいた外国人が
少し横柄な態度をとった時に
「だから、外国人は」という話になり、
それを攻めたユキヤ君に
「何故、そんなに弱腰なんだ。
だから、お前には彼女もできないし、
結婚も出来ないんだ。」と怒鳴ったと言う。


ユキヤ君は、その瞬間に思い余って
「俺はゲイだ。男が好きだ。
兄貴がこの世の中で、もっとも嫌いなタイプの
変態なんだ。」と叫んだらしい。

その瞬間、ユキヤ君のお兄さんは凍りつき、
いきなり押し黙ったのだそうだ。

おもむろに冷蔵庫から缶ビールを2つ持って来た。

お兄さんは、ユキヤ君に
「昔からわかっていた。
なのに、当てつけのように言ってしまって
悪かった。」そう言ったのだそうだ。

ゲイだとバレていたのもショックだったけれど、
それよりも何よりも、あんな兄が
自分に頭を下げたことが忘れられない、
ユキヤ君はそう言った。
家族にゲイがいることなんて、
絶対に受け入れることはしないタイプだったからだ。

それから何年か経ち、兄は相変わらず
議員として頑張っているけれど、
それでも「お前に彼氏ができたら、万歳してやるよ。」
と笑ってくれたりする。
「なんだかんだ言って、家族だもんな。」

考え方や生き方がまったく違っても、
受け入れ合える、ということこそ
大切なのだ、ユキヤ君の話は
僕にそういうことを教えてくれた。

posted by みつあき at 20:14| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする