2016年12月29日

ニューヨーク旅行記 その2

さて、さて早速だけど、NY観劇記の続き。
これをアップしてから、今年はどんどん
店のブログもアップせねば。


12月10日(土)14:00 "In Transit"@Circle in Square

土曜日マチネは"In Transit"を観た。NYの地下鉄を舞台に、11人の男女があらゆる人生を見せていく群像劇ミュージカル。すべてアカペラだが、コーラスのみならず、ソロパートでもバックステージから歌で伴奏する。一見簡素な舞台だけれど、移動式レールや、階段を見事に使って細かく工夫されているのが素敵だ。"In Transit"ゲイ役のカップルの一人のアジア系は、テレビドラマ"Glee"のウォブラーズの一人テリー・レン。僕は「ゴッドスペル」そして"ALLEGIANCE(忠誠)”の2本で観ているが、ここでもなかなか良い味を出していた。しかし、進行役でもあるボックスマンこと黒人俳優C.Snowのベース&ラップが突出してて、彼なしではほぼこの舞台は成り立たないと言えるほど。とにかく、アカペラ、と言われずに観ていたら、きっとバックバンドや伴奏がある、と思い込んでしまうほどの出来上がりだ。大好きな円形劇場のCircle in the Square だったし、期待していなかっただけに大満足!

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12月10日(土)

今回、メトロポリタンオペラでは「サロメ」を観る予定が、どうしても都合がつかず「マノン・レスコー」を観た。去年評判だったマノン役の人オポライスも良かったけれど、本音を言うと、先週までやってたネトレプコで観たかったなあ。エドモンド役のボリチェフスキーが声のみならず、有り様もセクシー!(笑)去年から新演出に変わったこの演目の演出はリチャード・エアー!この監督の映画「あるスキャンダルの覚え書き」は恐ろしいレズビアン映画で大好きだった!とにかくメトのこれでもか!という高さを使った美術が圧巻。これは映画館でのライブビューイングだと、なかなか伝わらない。ちなみに添付してある映像は、ネトレプコ版。


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12月11日(日) 14:00 "Sweet Chality"@The Romulus Linney Countryyard Theatre

去年、来日公演もしたサットン・フォスター主演、オフで限定公演の「スイート・チャリティ」完売チケットが何とか取れた!舞台ももちろん、映画も大好きな演目。美人でもなく、ちょっと田舎臭いフォスターがチャリティ?と思ったけれど、それが逆に凄くいい味を出している。もう彼女の独壇場。パンティ丸出し、大股開き、体当たり演技とはこのこと!!ボブ・フォッシーの振付が観られなかったのは心外だったけれど、いたるシーンで、笑いが起こり、いちいち唸らされた。チャリティの相手役のオスカーが「オクラホマ!」のシュラー・ヘンズリー。何と去年「プリンス・オブ・ブロードウェイ」で彼も来日している。モテないおっさんというかつて観たことのないこの役の表現がなかなか良かった。

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12月11日(日) 17:00 "George Balanchine's Nutcracker"@David H. Koch Theater

ニューヨーク・シティ・バレエの「くるみ割り人形」を初めて観る。何故、もっと早く観なかったか、と思うほどの出来!オープンのクリスマスシーンの多数の子供たちの演出、振付が絶品。また、観客の子供たちの目が実にキラキラして見入っていることにも感激!子供の頃から、こういうのを観られるアメリカ人は羨ましい。「ジョージ・バランシンの」という冠が付いているくらい、バランシンの振付の見事なこと。非の打ち所がないとはこのこと。どんどん大きくそびえ立つクリスマス・ツリー。そして、これでもかと振り続ける細かい雪の中で舞う何十人ものバレリーナ。ダンサーの凄さもさることながら、装置や美術も、どれだけお金をかけてるのか、これは一度は目にするべき。


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12月11日(日) 19:30  "Dear Ever Hansen"@Music Box Theatre

新作ミュージカル「ディア・エヴァン・ハンセン」を観た。まったく情報を知らなかったけれど、インターネット社会の現代を皮肉に見せていく斬新なLEDを使ったステージ。自殺した青年と彼のPCに残された友人エヴァンへのメールから、遺された家族とエヴァンの関係を描いた画期的な作品。インターネットやスマホというツールをうまく使った子供のが人気の原因か、とにかく老若男女ギッシリの客席から総立ち(最近はどの舞台もそうなんだけど。笑)の大喝采。オフから主演を演じてる若いベン・プラットのキラキラした目に涙が光るのは、このキャラクターを演じられることが役者冥利に尽きるということだろう。

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12月12日(月)19:30 Kiss Me Kate @Studio54

ブロードウェイ公演が、ほとんど休みの月曜日、一夜限りしかしないベネフィット公演「キス・ミー・ケイト」を観ることが出来た。「王様と私」のケリー・オハラと、ウィル・チェイス主演で、コンサート形式。とは言っても、舞台セットがないだけで、20人を超える出演者は衣装も全員付けているし、タップダンスや群舞もある。たった一回限りの公演のため、どれだけ練習したのだろうと思うほどの出来。特にオハラは本当に凄いミュージカル女優になった。オペラにも挑戦しているせいか、声の伸びが本当に素晴らしい。思えばここでやっぱり一夜限りの「アサシンズ」を観た。こちらでのコンサート形式は、オーケストラがバックに並んでいて、演奏風景もきちんと観られるのが素晴らしい。たぶん、オケボックスにいるよりも緊張しているはず。それにしても、こういう特別な公演を日本から行って観られるのは、本当に有難い。さすがに何の動画もアップされていない。

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12月13日(火)19:00 "The Band's Visit"@Linda Gross Theatre

オフで"The Band'a Visit"を観た。これは日本で「迷子の警察音楽隊」として公開された映画のミュージカル化。エジプトから公演のために来たイスラエルの田舎町に迷い込んだ警察音楽隊と街の人々の交流を描いていて、それぞれの拙い英語がわかりやすい(笑)。地味ながらも、回転舞台をうまく使ってそれぞれの関係を見せる巧みさ!映画はコミカルな感じと切なさが相まって素晴らしい出来だった。舞台も"Once"のような雰囲気に仕上がっているかと思ったけれど、そこまでは届かなかった。でも、劇中、そしてラストで聴かせるキャストの演奏が素晴らしい!!当初、あのハロルド・プリンスが演出するかも、と言っていたのだけれど、彼は日本でも上演した「プリンス・オブ・ブロードウェイ」にかかりっきりで難しかったとか。来年にはオンに上がる、という話も聞くけれど、どこまで変化するか。これも映像は未発表。

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12月14日(水)14:00 "Natasha Pierre and the Great Comet of 1812"@Imperial Theatre

「ナターシャとピエールと1812年の大彗星」を観た。「戦争と平和」を元にしたこのミュージカルは、一昨年、オフのテントで観て、とても楽しめた。そして、オンに昇格、ついこの前まで「レ・ミゼラブル」をやっていたこの大劇場に移るとは!それも舞台と客席もすべて大工事で作り変え、壮大なモノになっていてビックリ。舞台上の所々にも客席やテーブルがあり、キャストは2階も含めてあちらこちらへと動きまわって歌い踊る。驚きと興奮と魔法のような2時間半!メインアクトにジョシュ・グローバン。もちろん彼は素晴らしい歌声を聴かせてくれるけれど、群像劇の一人として存在するとのが素敵だ。30人を超えるキャスト(オフの時よりも増えてるのか?)が、ほぼ全員つねにあらゆるところで動いているという演習。一度観た演目だが、改変版を観られて本当に良かった。大満足!

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12月14日(水)19:00 "Baby It's Cold Outside"@Carnegie Hall

今回、こちらに来る直前に発表になった「熱帯雨林保護の慈善ライブ」。音頭をとったスティングをヘッドに、我らがブルース・スプリングスティーン、ジェイムス・テイラーほか、ソウル、ジャズ、オペラなどのビッグネームが集った豪華ライブ。普段はクラシックをやるカーネギーホールという小ささが、ブルースが出演するライブにしては驚きだった。そう言えば、「アナと雪の女王」で有名になったイディーナ・メンゼルまで登場した。。トリのブルースが登場すると、それまで座って観ていた観客が、総立ち。"Santa Clause Is Coming to Town" "Merry Christmas, Baby"とクリスマスソングに続き、"Tenth Avenue Fleez-Out"で大合唱となった。個人的にはこの冬の旅の中で、もっともエキサイティングな一夜となった

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12月15日(木)20:00 "Holiday Inn"@ Studio54

NY最後の演目"Holiday Inn"日本での映画タイトル「スイング・ホテル」を観た。「紳士のための愛と殺人の手引き」の主演だったブライス・ピンクハムと、「ハイスクール・ミュージカル」のコルビン・ブルーが、それぞれクロスビーとアステアの役をやる。ブルーは、あんなにやんちゃだった若者が、鮮やかなタップのみならず、メインアクトとして、役を見事にこなしている。「スイング・ホテル」ホリデーシーズンに相応しいクリスマスミュージカル。古い時代だからか、いささか古臭い演出はどうかと思ったけれど、どんどん出てくるレビュー、ダンスは見応え充分。複数での縄跳びをしながらのダンスや、花火を使ったブルーのタップも最高。物凄く幸せな気持ちで劇場をあとにした。


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と、そんなワケで12月の旅も、色々な想いを胸にしながらも、
とっても質が高いモノを見せてくれた。

posted by みつあき at 11:19| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする