2016年12月02日

会社の先輩の言葉

昨日、来てくれた30歳のシズオ君は
半年ほど前に、会社の先輩に
自分がゲイであることをカミングアウトしたと言う。

先輩は、そっか、別にいいじゃないか、と
「何かあれば、いつでも言ってこい」と
頼もしく微笑んでくれた。

それから一緒に飲むことも増え、
シズオ君は心にあるモヤモヤとしたことを
たくさん、先輩に打ち明けた。

3ヶ月ほど経ったある日、
その先輩はシズオ君にぽつりと言った。
「お前さ、お前が男が好きだっていうことは
とってもよくわかったし、
それで苦しんでいたことも理解できた。
でも、それはお前のごくごく一部であって、
全部じゃない。
毎日、男の事ばかり考えてる訳じゃないだろうし、
それほど差別がたくさんあることもないだろ?
だから、もういいじゃん。
もっと普通の話をしよう。」と。

確かにシズオ君は、先輩にカミングアウトをしてから
プライベートで飲むたびに、
色々なゲイの話をした。
もちろん、先輩は嫌がっているふうではなかったけれど、
シズオ君は改めて自分がこだわり過ぎていた、
ということに気が付いた。
ただ、でも、という気持ちも湧いてきた。

思えばストレートの人間は、
始終女性のことばかり考えている訳ではない。
もちろん、シズオ君だって、男の事ばかり
考えている訳じゃない。

でも、自分がゲイだということを考えることと、
男の事を考えているのは、イコールでもないのだ。

要は、ストレートの人が仕事や家庭のことを
自然に考える時に、いちいち異性愛者、ということを
意識しないだろうけれど、
シズオ君はいつも自分が同性愛者だ、
ということを考えざるを得なかったのだ。

仕事で女性がサービスする店に行く時、
結婚や子供の話になる時、
それは両親の話や、
テレビドラマの恋愛について語る時でさえ
ずっと付いて廻るのだ。
それが、シズオ君がこだわってしまう部分なのだ。

シズオ君は
「面倒臭いかも知れないけれど、
こういう訳だから、ついついいっぱい考えちゃうんですよ。」
改めて、そのように先輩に伝えると
やっと先輩は理解してくれたようだった。

確かに、単に同性愛で、とカミングアウトした時に
ストレートの人が受け入れてくれるのは
とってもありがたい事だけれど、
当然のようにそのあたりの
想像力は働かない。
それはストレートが悪い訳でもなければ、
もちろん当事者が悪い訳でもない。

そのあたりの深く、面倒な事も含めて、
クローゼットのほうが楽だ、という形に
当てはまる人が多いのかも知れない。
シズオ君の話を聞いて、改めてそんな事を考えた。

posted by みつあき at 14:34| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする